2010年4月1日、ネットマークスは副社長だった佐藤宏氏が社長に就任、新しい体制で再スタートを切った。新体制の下で行われた組織改革のなかで、特徴的なのは各組織の連携強化を図る「システムソリューション部」を設置したことだ。この新しい部署を同社では“ファシリテータ(意見のまとめ役)”と位置づけている。新しいシステム・サービス創造の活発化で事業領域を広げていく。
“ファシリテータ”組織を新設
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2010年4月1日付で社長に 就任した佐藤宏氏 |
佐藤宏氏の社長就任による新体制の下、ネットマークスは若干の組織改革を行った。その目玉になるのがITやネットワークのシステムやサービスを創造することを目的とした「システムソリューション部」を新設したことだ。この部署は、各部門で頭を悩ませている課題を抽出して案件獲得につなげるための解決策を見出すことが主業務となる。
このような部署を設置したのは、社内に潜在しているマイナスの要素を打破するほか、プラスの要素を顕在化することが目的。佐藤社長は、「当社の社員は、一人ひとりの能力が高い。しかしその一方で、組織で動くという面が欠けている」と打ち明ける。個人の能力が高いのは歓迎すべきことだが、一方で単独で動くために重要な案件を獲り逃すケースも出てくる。各社員が上司や同僚、部下、または他部署などを最大限に活用するといった「組織力」が事業拡大を図っていくうえで必要と判断したのだ。「能力が高い個人が集結すれば、難しい案件でも獲得できるようになる」。これまでも各業界でトップ5に入る企業を顧客として獲得してきた。組織力が向上すれば、「さまざまな顧客に対してアプローチできる」と、佐藤社長は期待する。さらに事業領域を広げていくため、新組織を設置したわけだ。
本来ならば、各組織の責任者が部下を統率してビジネスを手がける形が理想だ。しかし、佐藤社長は「実現できている組織は確かにある。しかし、個人プレーが目立つため、社内すべてでチームワークを遂行できているとはいえない」と認める。組織力不足で能力を発揮し切れていない部署があるだけでなく、社内全体でも組織力が欠けていたことを物語っている。「システムソリューション部は、各組織の能力を引き出すほか、さまざまな意見を収集してよい方向へと導き出す“ファシリテータ”として機能させるために設置した」と表現している。また、事業本部などに属さず独立した組織であることも特徴的で、「組織を横串で捉えることが可能」としている。
同社の2009年度第3四半期まで(09年4~12月)の業績は、売上高が前年同期と比べて約23.5%減となる144億7300万円、利益面ではマイナスが続き、営業利益がマイナス14億2600万円(前年同期はマイナス5億8900万円)、経常利益がマイナス14億8000万円(同マイナス6億4400万円)、最終利益でマイナス15億1900万円(同マイナス4億8900万円)と赤字幅が拡大。しかも通期については、売上高として248億円(前年度比18.5%減)、営業利益マイナス8億円(前年度はプラス3億9200万円)、経常利益マイナス8億7000万円(同プラス2億4600万円)、最終利益マイナス9億2000万円(同プラス2億7900万円)と赤字に転落する見通しだ。このような厳しい状況であることから、社内の全体最適化を図る組織力の向上で成長路線を敷く方針を掲げている。(佐相彰彦)