その他
ラネクシー 自社開発製品を拡販 利益率の向上を狙う
2012/10/04 21:03
週刊BCN 2012年10月01日vol.1450掲載
ラネクシー(二瓶孝二社長)が自社開発ソフトのビジネスを拡大しようとしている。ログを一元管理するソリューション「MylogStar」の販売を専門に手がける部門「第二ソフトウェア事業本部」を今年度(2013年3月期)に設置して、自社開発の製品の販売を増やすことで、利益率の向上を狙う。
ラネクシーは、開発元のメーカーから製品を仕入れて自社ブランドで販社に卸すビジネスを主流にしており、自らを「パブリッシャー」と称している。事業のもう一つの柱として、メーカーからソフトを仕入れて販社に卸すディストリビューションも手がけている。加えて、08年10月にソフト開発のウイングからプロダクトソリューション事業を譲り受けて自社で開発するビジネスにも着手し、09年春から自社開発のログ管理ソフト「MylogStar」を発売している。
これまでは、パブリッシャー、ディストリビューション、自社開発製品の卸を、一つの営業部門が手がけていた。ところが、開発元メーカーの都合で販売契約の形態が変わってしまった。コーレルによるRoxioの買収もその一例だ。また、ディストリビューションでは、パラレルスの仮想化ソフト「Pararelles Desktop」を独占販売していたが、パラレルスがほかのディストリビュータとの販売契約にも踏み切ったことから、独占販売できなくなった。
このような事情から、「第二ソフトウェア事業本部」を設置し、自社開発の「MylogStar」を拡販するための体制を敷くことになった。事業本部長は、二瓶社長が兼務する。社長自らが指揮を執ることで積極的に拡販を図る。
また、自社開発ソフトの拡販を図るのは、利益を高めることも大きな狙いだ。「MylogStar」の粗利率は50%程度で、ほかの製品の粗利率はさまざまだが、圧倒的に「MylogStar」の粗利率が高いという。
「MylogStar」以外の卸については、「第一ソフトウェア事業本部」が担当。ただ、ラネクシーは自社開発ソフトを拡販する一方で、他の製品の販売にも力を入れていく。例を挙げれば、ストレージクラフト製のバックアップソフトの「ShadowProtect」シリーズがある。この製品は、東日本大震災をきっかけにBCP(事業継続計画)の重要性を再認識したユーザー企業が増えたことから、昨年度の売上高が前年度の2倍を記録した。このニーズは依然として続いていることから、今年度は昨年度の2.5倍以上を見込んでいる。
ラネクシーでは、メーカー製品が7割、「MylogStar」が3割という現状の売上比率を、今後3年間で半々にすることを目指している。全社の売上高の伸び率が鈍化しているなかで、粗利率の高い自社開発の「MylogStar」の比率を高めることで利益を伸ばす。今年度の売上高は21億円と昨年度の25億円よりも下がるが、利益は前年並みもしくは前年度を上回る見込みだ。
流通の中間を担っていると、メーカーの都合でビジネスが左右される危険性がある。ラネクシーは、そうしたリスクを回避する措置として組織改革を断行した。(佐相彰彦)
ラネクシー(二瓶孝二社長)が自社開発ソフトのビジネスを拡大しようとしている。ログを一元管理するソリューション「MylogStar」の販売を専門に手がける部門「第二ソフトウェア事業本部」を今年度(2013年3月期)に設置して、自社開発の製品の販売を増やすことで、利益率の向上を狙う。
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