キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS、金澤明社長)が開発する超高速開発ツール「Web Performer(ウェブパフォーマ)」の累計納入社数が、この1年間で100社近く増えて1176社に達した。当初目標は累計納入社数を300社増やす計画だったが、大手金融機関や自動車メーカー、電力会社、大手SIerなど、「当初想定していたより大規模なユーザーの新規採用が相次ぎ、大手需要に傾いた」(望月慶子・SIサービス事業統括推進本部ソリューション推進部マーケティング課チーフ)ことから、社数よりもWebPerformerの応用領域の大規模化が進んだ格好となった。

(左から)山田真穂氏、上島努部長、望月慶子チーフ

 そこで、中堅・中小規模のユーザーが、一段と採用しやすいようにするため「Amazon Web Services(AWS)」上でWeb Performerによる超高速開発と実装がオールインワンで行えるサービス「WebPerformer Cloud(ウェブパフォーマ クラウド)」を1月31日から始める。AWSの使用料も含めてキヤノンITSが一括で料金請求するとともに、WebPerformer Cloud上で実行中のアプリケーションの動作状況の監視、障害時の自動復旧するといった保守・運用も同サービスの一環として提供する。

 これまでも、WebPerformerをAWSなどのパブリッククラウド上で運用することは可能だったが、ユーザー企業が自前でクラウド環境を用意する必要があった。中堅・中小規模のユーザーは、技術者の数が限られていることが多く、「アプリケーションの開発と実行環境を自前で構築したり、保守・運用に手間をかけたくないという要望が強まっている」(上島努・デジタルビジネス開発本部クラウドサービス推進部部長)現状を踏まえて、オールインワンでサービス化。クラウド環境に移行することで、ユーザー企業と外注先のSIerとの共同作業がやりやすくなったり、オフショア・ニアショアも活用しやすいなどのメリットも享受できる。

 WebPerformerシリーズの販売・開発パートナーは、この1年で約40社から60社へと増えており、今年度(2020年12月期)は、地域別にパートナーを組織して、共同セミナーや勉強会などを開催することを検討している。ビジネスパートナーは主に販売を担うパートナーと、開発メインのパートナーとに大きく分かれる。一部競合関係にはあるものの「人手不足を背景に超高速開発の市場は引き続き拡大しており、例えば地域単位での販売系と開発系のパートナーの情報共有を促進することで、より多くの案件獲得につながる」(ソリューション推進部マーケティング課の山田真穂氏)と見ている。

 「WebPerformer Cloud」や、地域単位でビジネスパートナーを盛り上げる施策を打つことで、向こう1年間のWebPerformerシリーズの累計納入社数の増加目標を再度300社に設定し、拡販に力を入れていく。(安藤章司)