富士通は5月14日、2019年度(20年3月期)連結決算を発表した。売上高は前年度比2.4%減の3兆8577億9700万円、営業利益は62.4%増の2114億8300万円、純利益は53.1%増の1600億4200万円となった。国内事業が堅調に推移し、利益を押し上げた。一方、新型コロナウイルスの影響で、「20年度の業績予想は見送る」(時田隆仁社長)形になった。

時田隆仁 社長

 同社は、22年度に同事業の営業利益率10%を目指す経営目標を掲げている。19年度の営業利益率は、18年度の4.4%から5.9%に上昇しており、時田社長は「経営目標を達成するための年度として、当初の計画を上回る順調なスタートが切れた」と総括した。20年度の業績予想については「新型コロナウイルスの影響が合理的に算定できる状況になり次第、速やかに公表する」と述べるにとどめた。

 ユビキタスソリューション事業では、働き方改革やWindows 7のサポート終了によるPCの買い替え需要などにより、売上高は379億円増の5478億円、営業利益は前年の204億円の赤字から311億円の黒字に転換した。磯部武司専務CFOは、PCについて「需要が継続したことによって販売価格が維持できた。コスト面では、メモリなどのキーデバイスの価格低下によるコストダウン効果を大きく享受できた」と説明した。

 デバイスソリューション事業は、売上高が1699億円減の3170億円だった。18年第4四半期の再編に加え、19年第3四半期から半導体三重工場が事業譲渡によって連結対象外になったことが影響しており、これを除くと前年から若干の増収になっているという。三重工場の事業譲渡により、磯部専務CFOは「LSI事業の再編はほぼ終了した」と話した。

 19年度決算への新型コロナウイルスの影響については、磯部専務CFOは「売上高で約160億円、営業利益で約50億円のマイナス影響が生じた」とし、「ネットワークを中心にシステムプラットフォームの部材調達に支障が生じたことに加え、アジアを中心に納品遅延が発生した」と語った。

 また、富士通本体の自治体、医療、文教向け事業部門と、準大手から中堅・中小企業向け事業を担当する富士通マーケティングを統合し、7月1日の発足を予定していた新会社については、「現在の状況を鑑み、ICTを活用した顧客の事業継続により一層注力する」(時田社長)ことを理由に発足日が延期となった。発足時期の目安や新型コロナ禍がグループガバナンス戦略に与える影響などについても「現時点で回答できることはない」(同社広報)としている。(齋藤秀平)