富士通は10月27日、今年度上期(2020年4~9月)の連結決算を発表した。新型コロナウイルスの影響に加え、前年度上期にあったPC特需の反動減があり、売上高は1兆6318億円(前年同期比10.8%減)、営業利益は622億円(同12.4%減)、純利益は471億円(同26.0%減)となった。

 このうち新型コロナの影響により、売上高で851億円の減収、営業利益で281億円の減益につながったと同社では分析。感染拡大の先行きが見通せない中でIT投資を先送りする企業が多く、プロジェクト開始の延期が増加した。業種別では、中央官庁・社会インフラを除く幅広い業種で受注が減退しているが、特に最前線でコロナ対応に追われている地方自治体やヘルスケア向けが大きく落ち込んだ。

 また、前年度は20年1月にWindows 7サポート終了があり、19年10月の消費税増税を前にしたPCの駆け込み購入が上期にあったため、この反動減が約1000億円の減収要因となっている。システム開発の効率化などで採算性の改善を進め、本業の営業利益では187億円の増益を確保していたが、新型コロナの影響がそれを上回り、減益となった。5G基地局の開設が加速したことで、ネットワーク製品事業は堅調に推移した。

 同社CFOを務める磯部武司・取締役執行役員専務は「第2四半期はコロナの影響が最も大きく出たが、ほぼ前回(7月30日発表)の想定通り」と述べ、減益幅は予想の範囲内に収まったとの見方を示す。新型コロナの影響は、プロジェクトの中止ではなく延期がほとんどだったことから、今後再び案件が動き出すとみており、下期は前年並みで推移すると予想。通期の営業利益は前年比0.2%増の2120億円を見込んでおり、前回発表の見通しを据え置いた。(日高 彰)