日立製作所は、デジタル変革の戦略商材「Lumada(ルマーダ)」のビジネスパートナー制度「Lumadaアライアンスプログラム」を発足させた。海外におけるIT関連ビジネスの中核を担う日立ヴァンタラ(徳永俊昭会長)と連携し、国内外でパートナー会社を募っていく。第一陣のパートナーは、大手クラウド事業者や精密機械メーカー、業務アプリケーション開発ベンダーなど24社。企業や社会が抱える課題についてパートナーとともに考え、それぞれの強みを持ち寄って解決につなげるのがパートナー制度の狙い。

熊﨑裕之 チーフLumadaビジネスオフィサー
 パートナー制度には、アマゾンウェブサービスジャパン、日本マイクロソフト、セールスフォース・ドットコムなどのクラウド事業者や、沖電気工業、ソニーセミコンダクタソリューションズ、富士フイルムホールディングスなどの製造業、ニッセイコム、ビジネスエンジニアリング、UiPath、PTCジャパンといったシステム構築やアプリケーション開発を行うパートナーが参加を表明した。Lumada事業を担当する熊﨑裕之・チーフLumadaビジネスオフィサーは、「向こう1年間で100社程度にパートナーを増やしていきたい」と話す。

 パートナー制度では、課題解決に当たって日立製作所とともに主導的な役割を担う「イノベーションパートナー」、具体的な解決方法を提供する「ソリューションプロバイダー」、基盤製品やクラウドサービスの部分を担う「テクノロジープロバイダー」の三つの種別がある。今回、参加を表明したパートナー会社がどの種別に属するのかは、現時点では明らかにされておらず、「プロジェクトを進めていくなかで役割を決めていきたい」(熊﨑氏)としている。

 これまで、Lumadaビジネスは日立製作所や日立ヴァンタラなど日立グループが中心となって取り組んできた。このタイミングでパートナー制度を始めた背景には、Lumadaの活動を通じて生み出した商材を集めた「Lumadaソリューションハブ」への登録数が70件ほどに増えてきたことが挙げられる。

 スマートシティやエネルギー、物流といった社会的な課題を解決するLumadaのコンセプトを凝縮した商材群がそろい、「Lumadaとは何かを明確に示せるようになったタイミング」(同)でパートナーを募り、より幅広い業種・業界に向けてLumadaビジネスを展開していく。

 パートナーと協業する場合の収益モデルについては、「課金方式によるサービスモデルは有力な選択肢となる。不況に強い収益モデルにしていく」(同)と、サービス型の収益モデルを志向する。日立製作所のLumada関連事業の今年度(2021年3月期)売上高は前年度比6%増の1兆1000億円を見込んでおり、今回のパートナー制度を成長エンジンの一つと位置づけている。(安藤章司)