日立製作所の上期(2020年4~9月)の連結売上高は、コロナ禍の影響もあって前年同期比10.9%減の3兆7600億円、営業利益は同39.2%減の1807億円の減収減益決算となった。営業利益のうちITセグメントは前年同期比1%減の1080億円を堅持。営業利益率は11.4%と、前年同期より若干改善して収益力を保った。他の事業セグメントの減益が目立つなか、ITセグメントは営業利益全体の約6割を占める“稼ぎ頭”となった。

 ITセグメントはコスト構造改革の成果が出る一方、リモートワークや非接触などコロナ禍で生まれた「新しい需要に対応した受注も増えている」と、河村芳彦・執行役専務CFOは話す。

 デジタル変革ビジネスの戦略商材「Lumada」事業の売上高は、前年同期比1.6%減の4890億円。うちLumadaの中核商材を指すコア事業は9.1%増の2990億円と堅調に推移するものの、中核商材を応用した関連事業は同14.8%減の1900億円となった。これはLumadaの応用先である「鉄道事業や建設機械の事業環境が悪化している」(河村専務)ことが影響した。Lumada事業全体の通期(21年3月期)の見通しは前年度比6%増の1兆1000億円を見込む。コア事業の伸びが牽引する一方、関連事業は横ばいと見ている(図参照)。
 

 上期の地域別売上高をみると、国内が前年同期比14%減、北米が同16%減、欧州が8%減、ASEAN・インドが21%減と主要市場が軒並み減収となるなか、中国は同7%増と市場が回復基調にあることを示唆する内容となっている。通期売上高は前年度比9.4%減の7兆9400億円、営業利益は同39.6%減の4000億円の見通し。(安藤章司)