横河レンタ・リースは7月6日、ハイブリッドクラウド環境運用支援サービス「Yellow Dash Support」の提供を開始した。パブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスを問わず一元的にITインフラを管理できるポータルを提供。これを活用して顧客と横河レンタ・リースが双方向でコミュニケーションを取りながら、運用や保守管理をサポートする。多様なクラウド管理ツールが登場する中、システム構成情報やベンダーとの契約内容の管理など「人手」が必要なる部分に対して、人的リソースを積極的に投入し、市場における差別化を図る構えだ。

　Yellow Dash Supportの具体的な支援メニューとしては、システムの状態監視、構成管理、自動構築、キャパシティー管理、ライセンス管理、保守契約管理といったサービスを提供する。また、保守サービスとして、顧客企業専用の問い合わせ窓口の開設、定期作業の代行、リモート・オンサイトでのメンテナンス作業などもラインアップしており、幅広い内容が並ぶ。

　ITインフラに関する情報はポータル上に集約・共有され、変更があれば随時アップデートされる。同社はこのポータルを「デジタルタッチポイントサービス」と銘打ち、顧客とのコミュニケーション基盤としても活用する。企業の情報システム部門やITインフラ管理者はデジタルタッチポイントサービス経由で業務を完結させることが可能になり、顧客のリモートワークも後押しできるという。

　同社によると、クラウド環境の複雑化や大規模化が進む一方で、コロナ禍におけるテレワーク環境の整備やセキュリティの強化も重なり、ITインフラ管理者らの業務負担は増大している。ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの環境を一元管理するツールは複数のベンダーが展開しているが、構成情報や契約内容の管理など人手が求められる部分をツールの提供のみでカバーするのは難しい状況だと指摘する。横河レンタ・リースはここに自社の人員を投下する前提でサービスを設計した。同社の佐川隆一・システム&ソリューション推進本部システム営業推進部部長は「これまでITインフラの構築や運用、保守で培ってきた技術力のある人材を生かせるという特徴は強調していきたい」と語る。

　販売計画としては、2022年3月までに30契約を目標とする。仮想マシン30台以上の規模のITインフラを有する企業をコアターゲットとして想定している。

　同社はオンプレミス環境をクラウドのように従量課金で利用できる「ITインフラコンサンプションサービス」も手掛けている。Yellow Dash Supportと組み合わせることで、システムの導入から運用、保守までをワンストップサービスで受けることが可能になり、こうしたメリットもアピールしていく方針だ。（藤岡堯）