ピュア・ストレージ・ジャパンは、今年6月に導入した提供形態「Evergreen//Flex」を利用した、サブスクリプションビジネスの強化に取り組んでいる。ITインフラに対する投資を最適化したい企業に向けて幅広い選択肢を提供することで、オールフラッシュストレージの導入ハードルを下げたい考え。
同社では、契約期間中はストレージコントローラーの永続的なアップグレードを保証する保守サービスの「Evergreen」を提供している。新たなプランとして追加されたEvergreen//Flexは、ハードウェアは売り切り型で提供する一方、ソフトウェア部分の利用料金は消費容量に応じて支払う従量課金型とすることで、データ所有権の観点からハードウェアを自社で保持したいが、初期投資はできるだけ抑えたいという企業のニーズに対応する。
北崎博司 本部長
同社パートナー本部の北崎博司・営業本部長は「ハードウェア販売を主力としていたITベンダーも、クラウドを含めた環境の中で最適なインフラを提供しようという方向にシフトしている」と述べ、IT市場全体でサブスクリプション志向が高まる中で、従量課金を組み合わせた提供形態は、販売パートナーが新たな事業モデルへスムーズに移行する道筋としても有効との見方を示す。
従来、同社のオールフラッシュストレージはVDI(仮想デスクトップ基盤)やデータベースの構築に用いられることが多かったが、最近では万が一のランサムウェア被害時に迅速に復旧できる体制を整えるため、バックアップ用途での導入も拡大しているという。HDDストレージに比べ故障が少ないといった基本的な優位性に加え、Evergreenの契約によって性能やデータ移行に関しても将来的な不安が解消されることなど、同社製品のメリットを訴求するため、パートナーSE向けの認定資格制度などを通じて認知拡大を目指すとしている。
(日高 彰)