最初は、「子供が生まれて、それまで勤めていたソフト開発会社でフルタイムで働くのが難しくなった。資格をとれば、在宅でも仕事ができるようになるかもしれない」と考えて社会保険労務士の資格をとった。ところが、ファイナンシャルプランナーの資格をあわせて取得し、人脈も広がっていったことで、仕事にのめり込み、「自宅でのんびり仕事をしているところじゃなくってしまった」。昨年8月、人事コンサルティングを行うヒューマン・プライムを株式会社化。「法人化したからには、継続させていかないと意味がない」。ますます仕事にのめり込まざるを得ない状況となった。人事コンサルは、「世の中の流れ、旬を知らないとできない仕事」だという。
「ソフト開発は短時間に仕上げる人の方が優秀なはず。ところが労働基準法では働いた分だけお金を払うのが原則。長い時間働いた方が賃金をたくさんもらえることになってしまう。だが、法律も裁量労働制を取り入れるなど変わってきている」と、まさに「旬」に応じて変わってきていると指摘する。人事というと経営者の思惑に社員は従うだけと考えがちだが、「経営者と社員では、人事面では相反する立場にもなるが、同士でもある。そこの折り合いをつけてお互いのためになる提案をするのが人事コンサルの仕事」。母ではなく、仕事をするプロの顔である。
プロフィール
小澤 薫
(おざわ かおる)青山学院大学経済学部卒業。卒業後コンピュータソフトウェア開発会社で開発・企画・総務人事労務に従事。97年11月 社会保険労務士試験合格。98年2月 小澤薫ソーシャルオフィスを開業。00年、夫である小澤孝俊氏が社長を務める株式会社シンクプラン内にヒューマン・プライム・ファーム事業部を人事コンサルタントである池田直子氏と共に立ち上げ、02年に株式会社化、代表取締役に就任。