「Trustworthy Computing」実現のために。マイクロソフトが掲げる構想に力を尽くすのが奥天陽司氏。セキュリティホール(安全上の欠陥)やコンピュータウイルスが発見された際、迅速に解析し、的確な情報を伝える。ユーザーのセキュリティ意識向上のための啓蒙活動も重要な仕事。セキュリティ関連のセミナーや講演会への出演、「セキュリティ川柳」というウェブサイトの運営も手がけるなど時間は惜しまない。
「信頼できるコンピュータ環境(Trustworthy Computing)に、ウィンドウズを近づけることが私の責任であり義務」ウイルス対策ソフトベンダーにも奥天氏と同様の仕事をする人がいる。だが、マイクロソフトとなると立場は違う。ウイルスがウィンドウズの欠陥を突くことから批判の的となる。評価されにくい仕事でもある。だが、「この仕事は天職」。「セキュリティを担当するようになってから、仕事への考え方が変わった」。ユーザーの不安や問題を解消することに新たな充実感を知った。「コンピュータには夢がある。今以上になくてはならない存在になる。だからこそ、安心して使ってもらえる環境を提供する必要がある。そのために自分が少しでも貢献できると思うと、何よりも嬉しい」その口ぶりには“仕事だから”という意識を感じさせない。マイクロソフトが全世界に向けて謳っている壮大な構想を着実に支えている。
プロフィール
奥天 陽司
(おくてん ようじ)1967年5月、北海道生まれ。90年3月、八戸工業大学電気工学部卒業。90年4月、東芝エンジニアリング入社。96年6月、マイクロソフト入社。Windowsサポート部門配属。01年11月、セキュリティレスポンスチーム設立、マネージャに就任。