「Linuxは需要が徐々に増えている」こう語るのは、NECのシステム事業本部・Linux推進センターの高橋千恵子さん。しかし、課題もある。「Linuxを理解できる人材が少ない」そのため、高橋さんが所属しているLinux推進センターでは、NECの技術者を育てることはもちろん、「パートナーや顧客企業などの中核となる技術者を集めた教育も行っている」という。中国や韓国では政府主導で積極的にLinuxをはじめとしたOSS(オープンソースソフトウェア)の普及に力を入れている。日本での普及は、「企業側からアプローチをかけることが適している」とし、「Linuxを理解してもらうための“きっかけ”つくりが重要」と強調する。
Linuxに魅了されたきっかけは、UNIX系ユーザーのシステム構築を手がけていた際、ある大手顧客企業にLinuxのシステムを導入するプロジェクトに参画したこと。「少ないコストで顧客の希望に合ったシステムを提案した」その後、Linuxビジネスの強化を目的として設立した「OSSソリューションセンター」の専任メンバーになった。現在では、Linuxに関する総合窓口としてシステムの提案や構築、サポートに携わっており、NECのLinuxビジネスを拡大するための中核的存在の人物だ。
プロフィール
高橋 千恵子
(たかはし ちえこ)1988年、基本ソフトウェア開発本部第七開発部でUNIXベースのスーパーコンピュータOSの開発や国内外のユーザー支援に従事。98年、民需系システム開発の共通技術システム本部第一システム技術部にてUNIX系ユーザーのシステム構築を手がける。01年6月、「OSSソリューションセンター」の専任メンバーになり、センター長に就任。03年11月、「Linux推進センター」新設にともない現職に至る。