2000年から、創業社長の父と同じ会社で仕事をするようになった。74年生まれと若いこともあり、取締役で入社したにもかかわらず、当時は「ムネハルさん」と呼ばれることが多かった。「入社後の半年は、自分の居場所がなくて悩んだ。まずは実績をつくることが大切だと思った。1億円近い大型案件が、システム障害のために納期が遅れそうになったとき、みずから飛び込んで火消しをし、なんとか納期に間に合わせた。このころから、ちゃんと“肩書き”で呼んでもらえるようになった」
幼い頃から、父はとても忙しく、すれ違うことが多かった。父を指して「あの、おじちゃん、つぎは、いつ家に来るの?」と、母に聞いたこともあった。 「父から会社の話を聞いたのは、大学に進学してからだった。ビジネスマンとして、父には夢がある。ソフトクリエイトを公開企業にすることだ」
「ひるがえって、わたしの目標は…。一部上場の企業にすることか、と自問する。少し違う。顧客主義は当然だが、会社の新しいシンボルとなるような事業を立ち上げたい。独りよがりではなく、顧客とのビジネスのなかからソフトクリエイトの企業文化を発信できるような事業を創出する」 「今月、第一子が生まれる。仕事が忙しく、父と同じような“おじちゃん”になるのかと思う。でも、もう少し、仕事と家庭の両立ができるようになればいい」
プロフィール
林 宗治
(はやし むねはる)1974年、東京生まれ。97年、学習院大学経済学部経営学科卒業。同年、ソフトバンク入社。00年、ソフトクリエイト入社。取締役。03年6月、常務取締役。