「クセのある人間揃い」。片岡秀夫氏は、自らが束ねるHDD&DVDレコーダー「RD-Style」開発チームをこう表現する。情報システムのエンジニアもいれば、音響機器やVHSビデオデッキを担当してきた技術者もいる。多様な技術者で構成される開発者集団。 「それぞれの場所でこだわりを持って仕事してきたヤツばかり」片岡氏自身もこだわりの人。納得いくまで話さないと気が済まないタイプ。会議も打ち合わせも当然長い。「月曜から金曜は、朝から晩まで、会社でも家でも仕事」。だが、「それぞれのスキルと経験を真っ向からぶつけ合って仕事ができる。メンバーに恵まれた」
PRに始まり、ウェブサイトの立ち上げやDVD規格の統一など、さまざまな仕事に従事した。知識と経験は多岐にわたる。今の仕事も製品コンセプト立案や開発マネジメント、宣伝など範囲は広く必要ならばプログラムも書く。「この中途半端具合が性に合っている」 「1つの分野のプロになると、その世界だけに止まってしまいがち。自分はそれが嫌だった。深いながらも片足だけ突っ込んでいるようなセミプロ感覚が自分にはちょうどいい」音楽からアニメ、SF、サッカーなど趣味も広い。仕事に没頭する時間が長い片岡氏にとってレコーダーは必需品。「土日はRDをずっといじっている」。「地味だけど便利な機能」が生まれる所以だ。
プロフィール
片岡 秀夫
(かたおか ひでお)1963年、東京都生まれ。87年、早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。同年、東芝入社。入社時は広告部でビデオデッキ「アリーナ」の宣伝などを担当。東芝初のウェブサイト制作にも携わる。98年からデジタルレコーダーの製品企画を担当し製品化。以来、HDD&DVDレコーダー「RD─Styleシリーズ」を中心に、デジタルレコーダー全般のソフトウェアの仕様作成や調整作業、PRなどの商品企画全般を担当する。