クライアント用ビジネスソフトウェアのパッケージ販売は厳しい状況が続く。パソコン市場の成熟にともない、ソフトを購入するユーザーの絶対数が減少。ソフト売場の縮小を進めるパソコン専門店や家電量販店が増えている。一方、ブロードバンドの広がりでインターネットのダウンロード販売が伸びている事実もある。ソフトメーカーにとっては、パッケージ販売の売上増を図ることに加え、ネットビジネスなどパッケージとは異なった事業の拡大も必要になってくる。
ハガキ作成ソフト「筆まめ」のクレオは、「携帯電話」を切り口としたアプリケーションサービスを提供するという新しいビジネス領域に足を踏み入れた。その中心となるのが押尾孝浩・執行取締役モバイル事業室長だ。
開発では、「根幹部分で一翼を担う」ことを念頭に置く。今回の新サービスは、筆まめの住所録機能を携帯電話で提供する。同社のインターネットサービスである「筆まめBBサービス」を通じて、ユーザーは携帯電話の中にあるアドレス帳など個人データのバックアップと保護ができる。
もちろん、同社はパッケージ販売を伸ばすために筆まめの開発に力を入れている。新サービスは、「パッケージとの連係で効果を発揮する」ものでもある。
「一大ブームを巻き起こす」。そんな思いが常に沸き起こってくる。クレオの筆頭株主となるヤフーへの技術提供でも、「ユーザーにとって利便性が高いアプリケーションの追求」と、あくまでもユーザーに向いている。
プロフィール
押尾 孝浩
(おしお たかひろ)1967年、秋田県出身。91年、クレオ入社。自社ブランドのコンシューマ向けPCパッケージ開発に携わる。94年にオープン系(ウィンドウズ/Netware/UNIX)のシステム開発、96年に自社ブランドの法人向け会計・人事給与パッケージ開発、03年に自社ブランドのネットワークサービス(筆まめBB)開発などに携わる。04年、携帯関連サービス開発、執行役員に就任。