パソコン周辺機器からデジタル家電製品へと裾野を広げ、相互接続性とホームエンタテインメントという市場開拓に着手しているアイ・オー・データ機器。西島久尚さんは、「家電的発想の最初の製品」というLAN接続外付けHDD「LANDISK」を開発した。
技術的には新しくはないが、原点は、電源を入れればすぐに使える、説明書が要らないほどの簡単さ。ヒントは家電から得た。洗濯機やアイロンなどの家電は、「ちょっとした発想の転換で、利便性を向上させた製品がユーザーの心をつかみ、成熟市場の中で着実に進化を遂げている」。最近では、斜めドラム洗濯機が話題になった。これまで常識だった洗濯機の形を少し変えただけで、洗濯物の出し入れが楽になった。発想の転換がヒットの理由。
パソコン周辺機器の進化は、CPUのスペックの向上などが機能拡張の目玉になっていたように、一部のマニア層や上級者層を中心として広がった市場だった。
より便利で簡単な製品をユーザーに提供するために、パソコン周辺機器も家電と同じような発想で「ユーザーの不便だと思う部分を掘り起せば、そこに付加価値が見つかる」。成熟した製品でも進化はできる。それは「突然変異ともいえる」。パソコン周辺機器メーカーで培ってきた技術を合わせて、家電のフィールドでも戦える製品を作る。
技術だけにこだわらず、「家電のDNAを呼び覚ます」ような感覚で「これいいな」とユーザーがダイレクトに飛びつく製品を作っていく。
プロフィール
西島 久尚
(にしじま ひさなお)1961年4月、富山県出身。80年4月、東京大学入学。85年3月、東京大学工学部精密機械工学科卒業85年4月、松下電器産業に入社。松下通信工業で大容量FDDの制御方式の開発を担当。企業向けデータ伝送装置の開発を担当。96年4月、Uターンのため松下電器を退職。同年、アイ・オー・データ機器入社。ネットワーク機器の開発を担当。