モットーは「常在戦場」。戦国時代の武将、上杉謙信由来の上杉家の家訓として有名な言葉で、平時でも戦場にあるように振舞うというのがその意味するところ。旧日本海軍の山本五十六元帥もこの言葉を座右の銘とし、高橋氏は山本元帥から影響を受けたとか。
「コンサルタントの仕事は、高みに立って発言するのではなく、現場にいて意見をぶつけ合っていくべき。仕事は現場にある」というのが「常在戦場」の心だ。
何でも理屈で通す。中学生の娘さんに対しても、「娘がおねだりしても、つい理屈を押し通して納得させてしまう時がある」。家庭にあっても、ついコンサルタントとしてのクセが出てしまうと照れ笑いも。
システムインテグレータ(SI)など、IT企業のコンサルも多く手がけてきた。今、重要視しているのがIT人材の育成だ。「システムエンジニア(SE)を営業の現場に出そうという企業は多い。でも向き不向きもある。人材をどう育てるかがSIには最も重要なこと」と見る。そのために、IT人材育成専用のヒューマンスキル診断も事業化した。
これをさらに推し進めて、「人間性から評価するシステムができないか」と発想。SIのヴィコム(神奈川県相模原市)の開発するシステムを使ったビジネスのサービスインを、来年初めに狙っている。かつて塾の講師を務めていた時、「生徒それぞれの能力に気づかせる」ことに力を注いだ経験がある。人間性評価のシステム開発も、「眠っている能力に気づかせる」ことが目的だという。
プロフィール
高橋 剛
(たかはし たけし)1966年、東京都生まれ。88年中央大学経済学部卒業。大学卒業後、大手住宅メーカーの営業職などを経て船井総合研究所入社。01年、タカハシパートナーズコンサルティング(TPC)設立。経営コンサルティング、人事コンサルティング、研修事業などのほか著作業も。主な著書に「はじめての起業成功ガイド」(中経出版)、「最後に勝つ営業交渉術」(PHP出版)、「売れるツボ、売れないドツボ~営業マン勘違い50の法則」(徳間書店)など。