趣味は何かをたずねたら、竹内敬呂は「ビジネスのフローをどうすればいいのか考えること」と答えた。高校時代から経営の仕組みに興味をもち、ビジネスを成長させるモデルについて考察することを趣味としているのだ。
竹内は大学時代、新聞配達とアパレル販売のアルバイトをしていた。大学を中退して入った就職先は、毎日のように深夜まで働くのがあたりまえの大手通信サービス会社。仕事の厳しさに耐えながら、経営について学び、「諦めない」「チャンスを生かす」という営業マインドを身につけた。そして、10年前にハードウェアメーカーのぷらっとホームに転職した。仕事は、小型サーバー「OpenBlockS」の販売を拡大すること。“ニッチ”な製品とみられていた「OpenBlockS」は、今、文教市場をはじめ数多くのユーザーに支持されている。
ぷらっとホームに入社した当初は、内勤のオンライン営業を担当していた。しかし、社内にいるのではユーザーのニーズがわからないと考え、上司の許可を得て「自らがお客様のところに足を運んで、生の声を拾う」という行動に出た。訪問した納入先は500を超えたという。その結果、ニーズに合った製品改善の提案をすることができ、販売成績はぐんと伸びた。
現在、竹内は10人の部下を率いる営業部長として、顧客の意見を聞き、製品開発に反映することをチームのミッションとして掲げ、「『OpenBlockS』の販売台数を今の10倍にする」という。「小型サーバーをメジャー商品にするためにはどうすればいいかを常に考え、お客様のニーズをつかむことに全力を尽くしたい」──。竹内は今も自ら最前線で戦う姿勢を示し続けている。(文中敬称略)
プロフィール
竹内 敬呂
竹内 敬呂(たけうち よしろ)
1969年、北海道深川市生まれ。大手通信サービス会社を経て、2002年、ぷらっとホームに入社。05年10月、営業部長に就任。製品開発部門と連動してセールスマネジメントを担当。現在は、自社開発・販売の小型サーバー「OpenBlockS」の拡販に携わる。