10年間、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)でUNIXサーバーのポストセールス部隊に属し、インフラ畑を歩んできた佐藤匡史は、2011年に、バックアップ事業を手がけるアクロニス・ジャパンへの転職を決断した。「視野を広げたいと考えた」からだ。アクロニス・ジャパンでは、販売パートナーやユーザー企業に仮想環境の保護を提案するプリセールス担当として営業の第一線に立った。
縦割組織を築き、決まった枠のなかで仕事をこなす日本HPから、スタートアップ企業で個人プレーが求められるアクロニス・ジャパンに移って2年。「文化が違うので最初はとまどった」そうだが、間もなく本領を発揮するようになった。
この2年間、佐藤は提案活動に力を注ぐかたわら、頻繁にイベントを企画してきた。延べ約1300人に対して、仮想環境のバックアップにアクロニス製品が最適であることを訴求してきた勘定になる。こうした活動を通じて、仮想化関連の売り上げが4倍に伸び、米国本社が日本法人への投資を重視するようになったことに大きく貢献した。
システムインテグレータ(SIer)にとって、仮想環境の構築は高度な技術が必要でハードルが高い。さらに、バックアップをどうするかについて、悩んでいるSIerは少なくない。
「彼らから課題を汲み上げて、開発部隊にフィードバックする。当社製品を使いやすくするよう努めている」と佐藤。前職で技術ノウハウをしっかり身につけたことが、現職でも強力な武器になっているという。「このところ、仮想環境のバックアップが加速している。この勢いを生かして、アクロニス・ジャパンの存在感を強めたい」と意気盛んである。(文中敬称略)
プロフィール
佐藤 匡史
佐藤 匡史(さとう まさし)
1975年6月14日生まれ。千葉県香取市出身。2001年、法政大学工学研究科建設工学修士課程を修了後、日本ヒューレット・パッカードに入社。サポート業務などに携わる。11年、アクロニス・ジャパンに移籍。プリセールスを本業とする。そのほかに、イベント企画やポストセールスなど、多様な業務を担当。