カリブ海に面するメキシコのリゾート地・カンクン。透き通る海に潜ると80メートル先の魚までみえる。ダイビングを堪能したあとは、冷たいビールとおいしい料理を満喫。この冬の醍醐春菜の休暇だ。
「業務の無駄を徹底的になくすことで、日本中の企業が定時帰宅、有休取得率100%を達成できるERPをつくる」。ダイビングにスキーと、出かけるのが大好きな醍醐にとって、このワークスアプリケーションズの牧野正幸CEOのコンセプトは、入社するのに十分なメッセージだった。
入社後は、そのコンセプトのERP開発に携わった。だが、ほどなく大きな壁に突き当たってしまう。文系出身の醍醐は、コンピュータサイエンスを学んできた生粋の技術者にはどうしても勝てない。「負けてもいいやと思い始めると、もう前へ進めなくなってしまう」。
暗中模索のなかでみつけたのがユーザーインターフェース(UI)の開発だった。当時のERPのUIは古めかしいものが多く、未開拓な領域。自ら進んでUI担当になることで、再び前へ進むことができた。入社から5年余り。ワークスアプリケーションズは業界に先駆けて生産性を大幅に高める斬新なUIを採用したAI活用型のERP「HUE」を完成させる。折からの働き方改革の追い風もあって、瞬く間に受注が相次ぐヒット商品に育った。
みんなが休みたいときに休めるようになるには、まだ道半ばではあるものの、「入社を決めた動機の一つをカタチにできた気がする」。透き通るカンクンの海でめいっぱい充電した醍醐は、さらにすぐれたUI開発への意欲に満ちている。
(敬称略)
プロフィール
醍醐春菜
(だいご はるな)
1987年、東京都生まれ。2010年、早稲田大学教育学部卒業。同年、ワークスアプリケーションズに入社。人工知能(AI)活用型ERP(統合基幹業務システム)「HUE(ヒュー)」のユーザーインターフェース(UI)開発を担当している。