
学生時代に2本のロープを使って跳ぶなわとびのダブルダッチを始め、ニューヨークの世界大会を目指した。ところが日本予選で敗退。その悔しさを「ずっと引きずっていた」という。大学を卒業し、パソナテックに入社してからも世界大会出場に対する思いはくすぶり続けた。ダブルダッチの普及活動を行い、ダブルダッチパフォーマーとして活動も行った。「でも、パフォーマーの世界大会はないんですよ」と、世界大会に対する思いがのぞく。光が射したのは2014年のこと。世界大会のWorld Jump Ropeに日本のダブルダッチ選手が出場できるようになった。浦田は日本予選で優勝し、そして世界の舞台で総合優勝を果たした。
ダブルダッチは「究極のチームプレイ」と話す。チームで縄を回し、跳ぶだけではなく、演目の内容もチーム全員で決める。曲を用意し、どのタイミングで入るか、どの技を入れるか、全体の動きを決めていく。その後は、何度も練習を繰り返し、調整して本番に挑む。「ちょっとしたことで意見がぶつかり合うのはしょっちゅう。でも、そうやって磨いていく。チームメイトに遠慮して意見が言えないのはダメだし、誰かが暴走してしまってもチームがつぶれてしまう。このさじ加減が難しい」。ダブルダッチ経験10年以上の浦田はこの加減を熟知している。「このさじ加減を、教育プログラムに生かせないかな、と最近考えている。例えば、ダブルダッチを通じた新入社員向けのコミュニケーション教育とか。プロジェクトとして会社に提案したい」と話す。
7月1日、浦田にとって5回目の出場となるWorld Jump Rope Championship and Camp 2018が開幕した。世界記録は浦田たちがもっている。その記録の更新と優勝を目標に、チームメイトとともに浦田が跳ぶ!(敬称略)
プロフィール
浦田高幸
(うらた たかゆき)
1986年6月7日生まれ、大阪府出身。2005年に入学した京都産業大学で2本のロープを使うダブルダッチのサークルに入り、そこからのめり込む。学生時代はニューヨーク世界大会出場を目指すが、夢破れる。社会人になって出場した世界大会・World Jump Ropeで念願の優勝を果たす。