Special Issue

<HP BladeSystemパートナー特集> 販売代理店との協業強化で需要の掘り起こしへ 後編

2007/10/22 19:56

週刊BCN 2007年10月22日vol.1208掲載

ソフトバンクBB
「BladeEXchange」で成長路線を敷設

 PCサーバの販売が2ケタ成長を遂げているソフトバンクBB。そのなかでも、「ブレードはコンスタントに案件を獲得しています。今年7月には、単月ですが、売上比率でタワーを逆転しました」と、本多晋弥部長は意気揚々と語る。

 ディストリビュータとして、販売代理店への手厚い支援が成長路線を敷く原動力となった。導入支援サービス「BladeEXchange」がそうだ。同サービスでは、HP BladeSystem「c7000」シリーズの無償貸出や、データセンターによるブレード関連ソリューションの検証を実施している。これにより、「最近では、ラックマウントの販売が中心だった中小規模のSIer様からブレードの問い合わせが増えています」。そのため、「c3000」シリーズに関しては「貸出機を多く確保しました」という。ほかにも、HP製品ベースのシステム構築に精通した技術支援要員として10人程度を配置していることも販売増につながっている。

 HP BladeSystemについては、「売りやすい製品に仕上がっていますね」と評価する。“SMB向け”と銘打った「c3000」シリーズの登場で、「遠くない将来にブレードの売上比率がタワーを上回る状態が当たり前になるでしょう」とみている。

ディーアイエスソリューション
“エコ”を切り口にシステムを提案

 ダイワボウ情報システム(DIS)グループでSI事業を手がけるディーアイエスソリューションは、ブレードサーバを販売していくうえでシステム・サービスのラインアップ増に力を注いでいる。

 徹底的な顧客志向型を追求した結果、「お客様にとってブレードサーバを導入するメリットは何かを徹底的に模索したところ、“エコ”の観点から提案していくことが最適なソリューションの1つと考えました」と話すのは渋谷修司取締役部長。そこで、今年度(08年3月期)上期は「ISOを取得している顧客企業に対して提案しました」としている。この提案で大規模なシステム案件を獲得。一例では、データセンター向けに400台のブレードサーバを導入した。「上期の時点で複数の案件に対して提案するといった“種まき”を行いました。下期は、“刈り取り”を進めます」としている。同社では、ブレードサーバ販売のなかでHP製品の占める割合が80%を超えるという。プロジェクト案件を増やすためには、「ブレードサーバを中心に、ストレージやネットワークなどを絡めた提案が重要になってきます。日本HP様とともにソリューションを創造できるようなパートナー関係を築いていきたい」と期待する。

東芝ソリューション
自律型コンピューティングを実現

 東芝ソリューションは、大規模な社会インフラをはじめとした情報システムを数多く手がけている。ユーザー企業のシステムニーズに対応するため、ハードウェアやOS、ミドルウェアをプラットフォームとして組み合わせ、設計から構築、運用、保守にわたって、システムのライフサイクルすべてを提供している。

 HP BladeSystemを活用したビジネスでは、統合クラスタソフトウェアの「ClusterPerfect EX」や高信頼ストレージの「ArrayFort」など自社製品を組み合わせ、サーバ統合に最適なプラットフォームを構築。今年10月には、「ClusterPerfect EX」の特長である「自律型コンピューティング機能」をHP BladeSystemに適用した。これによりHPのコンセプトである「アダプティブ・インフラストラクチャ」を現実のものとできる。森良哉部長は、「高可用性や高信頼性に応えられるソリューションが提供できます」と自信をみせる。今回、市場投入された「c3000」については、「サーバ統合のきっかけを作り、適用範囲を広げる製品といえます」と評価する。サーバ統合を部門レベルでスタートし、全社規模に広げたいというニーズに応えていく方針。今後も、「HP製品の技術革新を期待しています」としている。

日商エレクトロニクス
付加価値提案で成長軌道に

 日商エレクトロニクスのエンタープライズ事業本部第二営業統括部では、HP製品を切り口にさまざまなビジネスを手がけている。「日本HP様とは15年程度の深い付き合いです。PCサーバだけでなく、UNIXやワークステーションをベースとしたソリューションも提供してきました」と語るのは長谷川哲也統括部長。長年のノウハウを生かし、ブレードサーバの販売では「前年比2倍程度の伸び率で推移しています」と胸を張る。

 販売が順調なのは、直販と間接販売で幅広くユーザー企業を掘り起こしているからだ。なかでも、販売代理店経由のビジネスでは「必要とあれば、当社の営業担当者がパートナー様に同行しています」という徹底振り。最適な付加価値提案に労力を惜しまないことがビジネスを成長軌道に乗せる最大の要因というわけだ。国内の市場環境をみると、「タワーやラックマウントよりもブレードのほうが良いというニーズが、現段階で多いとはいえません」と把握する。これは、「ブレードのメリットが認知されていないからでしょう」と指摘する。しかし、「c3000」で「確実に市場が広がります。今後は、デフォルトでブレードを提案できます」と期待する。

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