Special Issue

<Coyote Point Systems特集> 導入コストに加え管理運用性を重視 多数の導入実績が物語る「Equalizer」の信頼

2008/04/04 19:56

週刊BCN 2008年03月31日vol.1229掲載

ローエンドロードバランサーなどが次々と投入され、ロードバランサー市場が活性化している。
しかし、ユーザーは導入コストだけでは製品を選定していないようだ。
どうやら、導入後の管理・運用工数まで視野に入れ、高信頼・高可用性のソリューションを選んでいる。
市場から支持を獲得しているCoyote Point Systemsの現状を追った。


SME市場でニーズが高まる

 「スモール/ミディアムエンタープライズ(Small and Medium-sized Enterprise)」(SME)市場の成長はめざましい。エンタープライズ市場が横ばいというなか、右肩上がりの伸長を続けている。Coyote Point Systems(コヨーテ ポイント システムズ)は「SME市場のトップベンダー」となるべく、製品の開発・提供に余念がない。

 コヨーテ ポイントシステムズは、大量のトラフィックが流れたり、トラフィック量が大きく変動するサイト、データベースによるトランザクション処理やタスクを集中的に稼働させるサイトなどに有効なソリューションであるロードバランサー「Equalizer」シリーズを提供している。

 同社はこれまで「Equalizer E250si」「Equalizer E350si」「Equalizer E450si」に加え「E350si」と「E450si」用のオプションカードであるSSLアクセラレーションカード「XCEL(エクセル)」をそろえ、多くのユーザーの声に応えてきた。特に「XCEL」投入後は、多くの企業課題に応えるソリューションとして注目され、売り上げを伸ばしている。

 従来、ロードバランサーはエンタープライズを中心に拡充され、多くのサイトやWebアプリケーションの信頼性・可用性を向上させてきた。しかし導入コストが高く、管理・運用するために、高度な技術が必要なため、SME市場には浸透しなかったというのが実情だ。そのような市場に対して同社の提案はマッチし、多くの顧客を抱えるまでになっている。

 「実際、SME市場でのニーズは高まっていますね。B2C向けのWebサーバーの負荷分散だけではなく、グループウェアなどイントラネットで使うサーバーやセキュリティアプライアンスなどゲートウェイでの負荷分散に使いたいという声も多くいただいています」と、ネットワーク&セキュリティ技術部・ネットワークインフラストラクチャグループ・チーフ ネットワークエンジニアの池田哲律主任は語る。

 企業規模を問わず、ITはインフラストラクチャやライフラインとなっており、その重要性は増している。企業の生産性の向上やセキュリティなどの課題を解決するため、多くのシステムやソリューションが稼働している。一方、企業システムを流れる情報量も爆発的に増加している。多くのシステムのIT化が進んでいることに加え、ネットワークの高速化などにより、大容量のコンテンツが容易に扱えるようになっているためだ。

 つまり、止められないシステムでありながら、これまで以上に高負荷の状態にある。それらの信頼性と可用性を高めるには「Equalizer」シリーズを活用するというのが現実的な選択といえるだろう。

適用範囲を広げるべくオールギガビットポート採用

 07年末には、同シリーズの最上位モデル「Equalizer E550si」を市場に投入。すべてギガビットポートで構成され、SME市場のデータセンタークラスで活用できるロードバランサーとして市場からの期待も大きい。パフォーマンスと可用性が高く、データセンターなどへの設置を想定している。

 もちろん、市場には低価格のロードバランサーやロードバランスソフトウェアなどが提供されている。これらのソリューションを導入することも、理論的には可能だ。しかし、実際にシステム障害が発生した場合、その対応に追われて膨大な作業が発生する。しかも短時間に解決しなければ、莫大な損失も覚悟しなければならない。つまり「やすかろう」といった製品を重要な個所に用いることは、現実問題として難しい。

 そこでは、構築実績やサポート力などが求められる。コヨーテ ポイント システムズにおいては、この部分に全く不安がない。これまでも多くの導入実績を残し、高信頼であることが証明されているためだ。

 「"Equalizer E550si"によって、これまでよりも幅広いニーズにも応えられるようになりました。特に、オールギガビットポートは大きいですね。これを待っていたというお客様も少なからずいたのではないかと思いますよ」(ネットワーク&セキュリティ技術部・ネットワークインフラストラクチャグループ・ネットワークエンジニアの松本光平氏)とのことだ。

 現在、負荷分散対象であるアプリケーションサーバーもギガインターフェースを搭載しており、上位の回線もギガ対応というケースが増えている。特にデータセンターなどは、ほとんどの場合このケースに当てはまる。だからこそ「すべてを"ギガ"に合わせたいという要望は非常に大きいですね。ギガビットポートを備えたサーバーを使っていても、10/100Mスイッチによるスループット制限を受けてしまっていた。この制限がなくなったことを、お客様はとくに喜ばれています」と松本氏は続けた。オールギガビットポートの採用で、さまざまな顧客ニーズに対して柔軟に応えることも可能になる。システムインテグレーターにとっても朗報といえよう。

 「Equalizer E550si」は、運用管理の課題も解決する。これまでの最上位機種であった「Equalizer E450si」に備わっていたSNMPを搭載し、お客様の運用管理ソリューションに合わせて一括管理を行うことが可能だ。

Coyote Point Systems=http://www.coyotepoint.com/
日本総販売代理店 ネットワールド=http://www.networld.co.jp/
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多くの企業で導入されている
導入事例から見る 「Equalizer」に求められるニーズとは

 SME市場が急速に成長しているなか、市場ニーズも多様化している。もちろん、ロードバランサーに求めるニーズも変化し、新しいビジネスチャンスに溢れている。これまでエンタープライズでニーズの高かった携帯電話用サイトの構築やイントラネット内での負荷分散ニーズも高く、ロードバランサーを活用することで、より信頼性のレベルを向上させることも可能だ。それらの変化は、事例を通して垣間見ることができそうだ。

 「Equalizer」シリーズは、市場ニーズの高い機能を備え、適切な価格帯の製品ラインアップをそろえている。非常に堅実なもの作りを行っており、機能・コストのバランスもいい。ニーズはあるもののコストが障害となりやすいSME市場の企業にとって、同社のコンセプトは受け入れやすい。

 「最近では、携帯電話やモバイルサイト向けの機能を搭載し始めています。これらの用途ではショートパケットが多く、より高いパフォーマンスが求められますが、“Equalizer”ではそのようなニーズにも応えることができます。もちろん、エンタープライズ向け製品のなかには、同様の機能を持つケースもありますが、このコストパフォーマンスではEqualizerは目を引く存在だと思います」(松本氏)。

 モバイル向けサイトを構築したくても、多額の投資が必要という「ジレンマ」からユーザーを解放することに成功したのだ。モバイルというキーワードにより、「Equalizer」シリーズがさらに伸長している。

 また、携帯サイトを作るうえで、マルチキャリア・多機種対応にコンテンツ変換可能な「Elixir(エリクサー)」(ノイアンドコンピューティング社)は高い評価を得ているソリューションであり、「Equalizer」シリーズとの連携事例も多く融和性が高い。「Elixir」は、ドコモ向けのコンテンツを用意しておけば、携帯電話キャリア・携帯機種に応じてコンテンツを自動的に変換し、最適な形でユーザーに表示する。携帯電話サイト作成において、非常に有効なソリューションの1つである。通常「Elixir」は冗長化構成をとれないが、「Equalizer」シリーズの配下に置くことで、1台の「Elixir」に障害があってもシステム自体がダウンすることはなく、システムの可用性を高めることができる。加えてユーザーからのアクセスを「Equalizer」が複数の「Elixir」に割り振ることで、高いパフォーマンスを発揮することが可能だ。同様に、複数のサーバーを統合するサーバーコンソリデーションにも「Equalizer」シリーズは有効だ。

 「Equalizer」シリーズは、故障の原因となりやすいハードディスクを使わず、フラッシュメモリによって動作している。これにより故障率を大きく引き下げることに成功、運用時の故障を大幅に削減し運用負荷を低減することができる。コヨーテ ポイント システムズの安定性・信頼性は、このような部材の選択にも現れている。


事例1 人材派遣

「ニーズ」
・イントラネット内のグループウェアの負荷分散
・外部からのアクセスにも対応させたい
・トラフィックの変動にも対応させたい

 大手人材派遣企業で「Equalizer」シリーズの導入を決めた。人材派遣業の場合、グループウェアなどを使ってスケジュールの調整が必須となる。つまり、イントラネットで稼働システムの可用性を向上させたいというニーズが高いのだ。このケースの場合、グループウェアだけではなく、メールシステムや業務システムを「Equalizer」の配下に置くことも可能だ。マッチルールを使い、Webや携帯電話からのアクセスにも対応できる。また、週末や月末などはどうしてもトラフィックが増大する。トラフィックの変動に対しても対応する必要がある。

 「人材派遣会社様の場合、派遣社員は何時から何時まで働いたという書類の提出が必要です。それをFAXやメールで送付し、会社側がチェックしているケースが多いようです。しかし、社員数が増えると、管理工数も増大していきます。より効率化を実現するため勤怠管理を行うポータルサイトを利用するケースが増えていますね」(池田主任)とのことだ。利用するユーザー数も非常に大規模になるが、エンタープライズ向けのソリューションを導入することも難しいケースにおいては、「Equalizer」シリーズはベストマッチといえよう。


事例2 決済システム代行サービス

「ニーズ」
・携帯電話からのアクセスに対応
・導入コストを抑え、高信頼のサイトを構築したい

 携帯向けの決済システム代行サービスを展開している企業も「Equalizer」シリーズを導入した。携帯電話はショートパケットであるため、ロードバランサーのパフォーマンスも、これまで以上に要求される。また、決済システムは代金のやり取りとなるため、高い信頼性が要求される。同サイトでは、「XCEL」を導入することでSSL通信の暗号解除処理を「Equalizer」で行っている。これにより、負荷分散対象サーバーの負担を軽減することに成功しているのだ。マッチルールを活用し、携帯電話アクセスのセッション維持を実現。導入コストを抑えつつ信頼性を向上させるために、最適なソリューションが「Equalizer」シリーズである。


(週刊BCN 2008年3月31日号掲載)
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