Special Issue

<グリーンIT特集>CO2排出量を削減し、地球温暖化対策を強化するという動き

2008/06/16 19:56

週刊BCN 2008年06月16日vol.1239掲載

アイ・オー・データ機器
数多くの取得マークが物語る
他社に先がけた環境保全活動

「3R」の考えで環境保全活動を実施

 2008年は、地球環境問題を考えるうえで重要な年になっている。京都議定書の第1約束期間(08年-12年)が始まり、7月に開催される洞爺湖サミットでは、主要テーマとして温暖化防止対策が話し合われる予定だ。また「グリーンIT」への関心が高まるなど、ITベンダーにとって、環境への配慮はもはや必須な状況と言える。

 そのようななか、アイ・オー・データ機器では早くから環境保全活動に取り組んできた。現在では、「J-MOSSグリーンマーク」「RoHS指令」「学校環境衛生の維持・改善のための基準」「PCグリーンラベル(08年度版)」「グリーン購入法」「国際エネルギースタープログラム」「PCリサイクル」といった数多くの各基準に準拠し、地球環境に配慮した製品づくりを展開している。

 「当社の液晶ディスプレイシリーズは01年より、環境に配慮した展開を行っています。その方針の骨格は“3R”という考えです」と、開発本部・液晶開発部の中村一彦部長。「3R」とは「リデュース(削減)」「リユース(再利用)」「リサイクル(再資源化)」によって、資源の有効利用を促す考えだ。

 同社ではまず「リデュース」に取り組み、梱包を小型化した。マニュアルはCD-ROMに収録し、その後、Web上からオンラインマニュアルをダウンロードする方法を採っている。03年からは、不要になった液晶ディスプレイの「リサイクル」を開始し、資源を循環させるための仕組みづくりを行った。現在では「リユース」という観点で、不要になった液晶ディスプレイの下取りや買い取りを実施している。

「節電」と「運用」を考えた「DisplayManager」

 同社が提供する液晶ディスプレイの多くは、「ECOモード」が搭載されている。「ECOモード」とは、明るさを控えめに設定し、消費電力を抑える機能だ。

 「現在、他社製品にも同様の機能がありますが、当社の“ECOモード”はそれらに先がけて提供しています」と中村部長。オリジナルのアプリケーション「DisplayManager」を提供し、多くのユーザーニーズにも応えている。

 

 「DisplayManager」では、アプリケーション上で輝度や色合い、スピーカーボリュームなどの調整が可能。なかでも「DisplayManager サーバーエディション」は、サーバーからの一括管理が可能で、クライアント側のタイマーや省エネモードの設定ができる。

 「“DisplayManager サーバーエディション”は、学校や教育関係のお客様からも好評です。1台ずつ電源を切って回ったり、環境設定を行う必要がないため、手間を省きながら節電も実現できます」(中村部長)。

 「DisplayManager」から、自動的に輝度をコントロールする機能を特化させたのが「節電マネージャー」だ。

 輝度は液晶ディスプレイの消費電力に大きく影響する。「節電マネージャー」は任意の間キーボード・マウス操作がない場合や、外出時や昼休みなど、あらかじめ離席する時間に合わせて自動的に輝度を下げることが可能だ。

 「シミュレーションでは、“節電マネージャー”によって、消費電力を半分以下に削減できました。“液晶ディスプレイの長寿命化”にも貢献できるのではないでしょうか」と、中村部長は大きな期待を寄せている。

 いち早く、環境に配慮した製品開発を展開するアイ・オー・データ機器。今後の展開について、中村部長は「さらにエコにつながる新しいアプリケーションを開発したい」と、志は高い。

 同社による環境保全活動が、多くのメーカーにとって大きな刺激とヒントになることは間違いない。今後の展開に注目したい。


アイ・オー・データ機器=http://www.iodata.jp/

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