Special Issue

<セキュリティソリューション特集>「セキュリティ=保険」から「セキュリティ+付加価値」の時代に(下)

2008/10/13 19:56

週刊BCN 2008年10月13日vol.1255掲載

トリニティーセキュリティーシステムズ
IPNテクノロジ搭載の最新機種「IPN-W500AP」新発売!
パケット単位で更新されるワンタイムパスワードが無線LANセキュリティの常識を変えた

高い信頼性で銀行にも導入

 トリニティーセキュリティーシステムズは、ワンタイムパスワード相互認証方式「SAS-2」と業界標準の暗号方式「AES」から構成される「IPNテクノロジ」を搭載した無線LAN製品を展開している。

 「IPNテクノロジ」は、認証局(CA)やRADIUSサーバーなどを設置せず、常にピアツーピア(P2P)の関係で相互認証する技術だ。ワンタイムパスワードによる相互認証プロトコルを利用しており、パスワードはパケット単位で常に動的に更新される。暗号方式には「AES128bit」を採用し、鍵そのものはネットワークに流さない。今までの常識を覆すまったく新しい方式であり、高セキュリティが簡単に構築できるため、導入実績が増えているという。

 「“セキュリティ面が気になって、今まで無線LANを導入してこなかった”というお客様ほど引き合いが多く、導入が増えています。実績としては、銀行、ゼネコン、官公庁(特に教育委員会)などがあります」と語るのは、取締役副社長の徳山真旭氏。

 特に大きな事例として挙げられるのが、四国銀行の全店への導入だ。従来の無線LANシステムに比べはるかに安全性が高く、導入・運用コストがかからない点が評価された。他業種に比べ、より高いセキュリティが求められる金融機関への導入は、「IPN」の信頼性を物語っているだろう。

 また、ゼネコンに対し、VoIPを組み合わせたトータルソリューションとして「建設現場向けレンタルパック」を提案している。「せっかく無線LANを導入したならVoIPも利用しない手はありません。デュアルフォンと組み合わせることで3G携帯の不感地帯でも通話ができ、IP電話同士の内線なら通信費も大幅削減できます。無線LANのセキュリティ問題がIPNによって解決されたことで導入が進みました」と、徳山氏は語る。



大規模提案しやすい新製品「IPN-W500」が登場

 「IPNテクノロジ」によって実績を積み重ねる同社は、2008年11月25日より、無線LANアクセスポイントの新製品として「IPN-W500AP」をリリースする。「IPN-W500AP」は、SIerからの声に応えた機能強化を図っている。「複数のアクセスポイントを設置する場合、通常は1台ずつにユーザー登録をする手間がありましたが、“IPN-W500AP”では特別なサーバーなどを必要とせず、複数のAPに最大1000名のクライアントの認証を可能にする機能と、追加のクライアントを1台のAPへ登録するだけで同セグメント内の全てのAPにも自動登録される機能を追加しました。大規模なシステム構築にも対応しやすくなります」(徳山氏)。

 また、ノートPC内蔵の無線LANでIPN通信を行うために、今後はソフトウェアとしても提供される予定で、まずは東芝製ノートPCの内蔵チップに「IPNテクノロジ」が組み込まれる予定だ※1。ソフトウェアとして提供することで、無線LANアダプタを外付けする必要がなくなり、運用とコスト面でのメリットは大きくなるだろう。

 最後に徳山氏は、販売体制の強化について語った。「販売に関しては販売店様による協力と支援は必須です。IPNシリーズを利用すれば、無線LANセキュリティの問題はすでに解決したと言えます。新製品の“IPN-W500”では登録の手間も一挙に解決します」とのこと。

 「IPN-W500AP」は10月15日から3日間、東京ビッグサイトで開催される「ITpro EXPO 2008 Autumn」で展示される。無線LANのセキュリティをより強固にし、導入・運用コストを削減する「IPNテクノロジ」を間近で体感できるチャンスと言えよう。


※1 当社にて検証を行い、搭載と販売をいたします。また、内蔵の無線LANチップはアセロス製であることが必要です。


トリニティーセキュリティーシステムズ=http://www.trinity-ss.com/

[次のページ]

関連記事

<セキュリティソリューション特集>「セキュリティ=保険」から「セキュリティ+付加価値」の時代に(上)