アイ・オー・データ機器
「コスト削減」ニーズに応える認証プリントシステム
既存の環境を生かし導入できる「ぴタッチプリント」

市況を見極めセキュリティから「コスト削減」へ

 2008年12月、アイ・オー・データ機器はICカードを使った認証システム「ぴタッチプリント」を発表した。

 同社はすでに、「FeliCa(フェリカ)」や「MIFARE(マイフェア)」などの読み書きができるNFCカードリーダ・ライタを市場に投入しており、「SmartOn Solo for I-O DATA」などPC認証セキュリティを実現するシステムを提案してきた。

 今回の「ぴタッチプリント」は、ICカード認証によるプリント出力環境を構築できる製品だ。ICカードで認証しなければプリンタから出力されないため、放置プリントや機密書類の持ち去りなどによる情報漏えいリスクを低減できる。各プリンタメーカーからも、セキュリティを高めるための認証プリントシステムがすでに提供されているが、プリンタ本体のオプションとして提供されるためコスト高となり、すぐに導入できるというものではない。しかし「ぴタッチプリント」は、既存の印刷環境を変更せず、導入コストを低く抑えられるという利点がある。

 「09年2月発売の“ぴタッチプリント”は、発売から時間が経っていないにもかかわらず、市場からは“セキュリティ”よりも“コスト削減”に有効なソリューションと注目され、多くの案件をいただいています」と、開発本部・市場開拓部・アライアンス製品開発課・シニアリーダーの茗荷谷誠氏は最近の市場ニーズを説明する。

 「ぴタッチプリント」を導入すると、ICカードで認証するためにプリンタまで足を運ばなければならず、結果として「放置プリント」をなくすことになる。つまり、これまで無駄に印刷されていた「出しっぱなし印刷」がゼロになるのだ。しかも、印刷時にICカードによる認証を行う前であれば、その印刷を取り消すことができる。「間違い印刷」もなくなり、本当に必要な印刷物だけ印刷するようになる。アイ・オー・データ機器は、セキュリティから「コスト削減」へと訴求ポイントを転換し、新たなニーズの開拓に注力している。

「この印刷は本当に必要か」社員の意識改革も実現

 「昨秋以降の景況感の変化から、今もっとも注目されているのが“コスト削減”です。電気代の削減やプリンタの印刷枚数の制限を行っている企業も多いと聞いています。こうした状況下において、必要な印刷物だけを印刷できるようになる“ぴタッチプリント”がマッチしたのでしょう。当社の開発部門で導入したところ、20%ほど印刷枚数が減りました。印刷枚数が多い部署で導入すれば、さらに効果をあげることができると思います」(茗荷谷氏)。

 「ぴタッチプリント」の導入で変わったのは、「社員の意識」(茗荷谷氏)だという。プリントする前に「この印刷物は本当に出力すべきなのか」といったことを社員自身がよく検討するようになり、軽率な印刷行為が減少したというのだ。

 認証プリントといえば、これまでプリンタや複合機の販売に強い販社の主戦場であった。しかし「ぴタッチプリント」を使えば、そうでない販売パートナーにも、認証プリンタ市場を開拓するチャンスが生まれる。「ぴタッチプリント」は、既存のプリンタ環境を変更することなく導入できるうえ、「FeliCa」「MIFARE」など国内で多く流通しているICカードに対応しているため、社員証やFeliCaチップ内蔵携帯電話など既存のICカードをそのまま活用できることから、手間がかからない。販売パートナーにとっては、「手離れのいい商材」になるのだ。

 「“ぴタッチプリント”では印刷ログを取得していますが、今後はこのログを活用し、コスト削減効果を“可視化”するような提案も検討していこうと考えています。市場ニーズに応じた展開を行っていきます」(茗荷谷氏)。

 市場では、さらなるコスト削減が求められている。「ぴタッチプリント」のような提案は、顧客やパートナー企業が今まさに求めているものといえるだろう。


アイ・オー・データ機器=http://www.iodata.jp/

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