取り扱うデータ量の増加に応じて、データ保存用にNAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)を導入する企業が多くなってきた。NASは、導入や管理を行いやすいというメリットがあり、ファイルサーバーとしての利用にとどまらず、バックアップストレージ、仮想化環境の共有ストレージとしても活用されるなど、利用範囲が広がっている。

 こうした用途の広がりは、NASマーケットの伸長にもつながっている。IDC Japanの「国内外付型ディスクストレージシステム市場の2013年上半期の実績と2017年までの予測」によると、2013年1~6月はNASの売上額が前年同期比39.3%増と高い伸びを示している。

 高成長を遂げるNAS市場を、さらにけん引すると期待されているのが仮想化環境の共有ストレージとしての利用だ。最近では、多くの企業が仮想化によるサーバーやクライアントの統合を進めており、データの統合や移行を手軽に実現するストレージとして、NASの需要が高まっている。そして、こうした仮想化環境での利用を実現するために、データの高速転送やバックアップ機能、重複排除機能などを備えた大容量のNASが登場してきている。国内メーカーをはじめ、グローバル市場を基盤とする海外ベンダーの参入によって、日本のNAS市場はさらに盛り上がることが期待されている。

 IDC Japanの「x86サーバー仮想化環境におけるデータ保護手法の実態調査」によると、x86サーバーの仮想化を本番環境で導入している企業のうち、約9割の企業がバックアップ所要時間の増加や運用の複雑さなど、バックアップ作業に課題を抱えている。これらの課題を解決するためには、運用が容易で、拡張性にすぐれた高信頼のストレージが欠かせない。

 例えば台湾の大手NASメーカー、QNAP Systemsの「Turbo NAS」シリーズは、高い拡張性と信頼性を備えている。直感的なインターフェースで、「VMware vSphere」「Microsoft Hyper-V」「Citrix XenServer」などの仮想化ソフトウェアに対応し、さらにVAAI(ストレージ用API)をサポートすることで仮想化環境での動作パフォーマンスも向上する。400TBを超えるストレージの容量拡張や柔軟なボリューム管理など、仮想化環境での利用を想定したNASになっている。

 NASの需要の高まりに伴って、高いコスト・パフォーマンスも求められるようになってきた。こうした企業のニーズに応えることができるNAS製品が、今後のストレージ市場をけん引していくことになるだろう。