JBCCは、クラウド型デジタルサイネージシステム「mot!VISION」のIaaSとして、「SoftLayer」を採用。新たな領域でのクラウドサービスの提供拡大に踏み切った。「IBM System x」などIBM製サーバーの販売で定評のあるJBCCが、SoftLayerを採用し、オンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッドシステムの提供に力を注ぐことで、他社に比べての優位性を打ち出していく。mot!VISIONの強みと今後の販売戦略について、JBCCでクラウドビジネスを手がけるキーマンに話を聞いた。

安全・安心、手軽な導入が売り

 mot!VISIONは、月額料金ですぐに利用が開始できるクラウド型デジタルサイネージシステム。設置場所や時間帯で放映コンテンツを自在にコントロールできる。本部のPCで番組表を作成し、時間帯や曜日を指定しながら、地区や販売促進を推進する店舗などでグループを指定してコンテンツを配信する「番組表グループ配信」と、特定の端末だけに期間限定のコンテンツ配信や各拠点用のアカウント使用でブラウザからもコントロールが可能な「今からここだけ配信」という2種類の配信モードを用意している。利用する機能やコンテンツを配信するクライアントの台数、コンテンツの配信容量に応じて、試験フェーズから大型規模の運用まで、さまざまなケースで利用することができる。しかも、個別のサーバーや運用技術者がいなくても利用することができるため、ユーザー企業にとっては手軽に導入することが可能。また、コンテンツがさまざまなディスプレイで再生できることに加えて、防塵性能が高く発熱も少ないことから、店頭や屋外に設置することができる。停電やブレーカーによる電源遮断でも、電源復旧で、自動的に運用再開が実現できるなど、端末の管理が簡単であることも特徴になっている。

(左から)執行役員 クラウドイノベーション事業部 事業部長 近藤隆司 氏、クラウドイノベーション事業部 デジタルコンテンツセンター 本部長 小原鉄仁 氏、クラウドイノベーション事業部 クラウドイノベーションセンター 運用&インフラ担当 鈴木秀一 氏

 mot!VISIONは、2013年6月の提供開始以来、クイックスタートで導入しやすい安全・安心なクラウドサービスとして、ユーザー企業の知名度が高まっている。近藤隆司・執行役員クラウドイノベーション事業部事業部長は、「クラウド事業の拡大にあたって、“人と情報をつなぐフロント部分”でわかりやすいサービスが必要と判断して提供することになった」と話す。小原鉄仁・クラウドイノベーション事業部デジタルコンテンツセンター本部長は、「昨年度(2015年3月期)の時点で、クラウド全体で150社を獲得した」と自信をみせる。ユーザー企業は、スーパーやドラッグストアなどの小売店が、商品をPRするために店頭で利用しているほか、工場内における情報共有ボードとして導入。また、自動車教習所で教習生に対して、講座の空き状況やキャンセル情報などを提供するために導入するなど、さまざまな業界が利用している。


基幹系との連携などで強みを出す

 JBCCでは、mot!VISIONのユーザー企業を順調に増やしているが、他社のクラウド型デジタルサイネージシステムとの差異化を図るため、クラウドプラットフォームとして、SoftLayerの採用に踏み切った。近藤執行役員はその理由として、「当社では、基幹系システムなどインフラの部分で、サーバーなどIBM製品を使ってソリューションを提供することを得意としているから」と話す。一般オフィスで、社員が社内の行事やイベントなどを把握するためにmot!VISIONを導入するケースなど、さまざまな用途が出てきている。そこで、すでにオンプレミスで提供しているユーザー企業に対してmot!VISIONを提案。近藤執行役員は、「mot!VISIONをきっかけとして、基幹系などでもクラウドの導入を促していく」との方針を示す。

 インフラのクラウド化を担当するクラウドイノベーション事業部クラウドイノベーションセンター運用&インフラの鈴木秀一氏は、「基幹系システムでは、データをいかに守ることができるかが重要となる。そういった意味では、SoftLayerがベアメタルを提供しているという点は大きい。フロント部分であるmot!VISIONでSoftLayerを採用して、さらに実績が出てくれば、販売管理や会計などのクラウドサービスでも採用したい」との考えを示している。

 これまではオンプレミスシステムを中心に製品・サービスを提供してきたJBCCだが、そのビジネスを継続しながら、迅速にユーザー企業のニーズに応えるにはクラウドサービスが必須と判断している。「mot!VISIONをはじめ、フロントからバックオフィスまでクラウドサービスで、さまざまな角度からソリューションを提供できる」(近藤執行役員)。IBM製品・サービスの提供に定評のあるJBCCが、プラットフォームとしてSoftLayerを採用したのは、大きな武器になる。