日本エイサーが法人・文教市場に向けに発売予定のAcer Chromebook 11「C732L-H14M」は、LTE通信モジュールを内蔵し、NTTドコモのネットワークを活用した高速かつセキュアな通信を可能にする。これにより、高額な初期投資が必要な無線LAN環境を整備しなくても、学校内はもちろん校外学習や家庭学習など、すべての子どもたちが場所を問わない自由な学習スタイルを実現できる。加えて、教職員の校務負担を大幅に軽減できるため、働き方改革の推進にも貢献する。日本エイサーでは、文教市場に加え、企業向けにもVDI用途などを中心に拡販を進めていく方針だ。

通信環境とコストを両立
場所を選ばない学習を実現

 文部科学省は2020年度に向けて「教育の情報化ビジョン」を掲げ、一人1台の情報端末を活用した学習の推進や、ICT環境の整備に取り組んでいる。通信環境の整備では、無線LANの導入が常識のようにいわれているが、文部科学省が実施した公立学校の実態調査(平成28年度)では、普通教室の無線LAN整備率は29.6%にとどまるという現状がある。
 
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NTTドコモ
田中 淳
地域協創・ICT推進室
教育ICT推進担当
課長

 「無線LANの整備が進まない理由は、高額な初期投資が必要になることに加え、その後の保守運用や管理の負担も大きい。また、小規模な学校や今後の統廃合の可能性も考えると、過剰投資になりかねない」とNTTドコモの田中淳・地域協創・ICT推進室教育ICT推進担当課長は指摘する。

 こうした通信環境の整備とコストという難しい課題を両立するソリューションが、日本エイサーの新製品、Acer Chromebook 11「C732L-H14M」だ。同製品は、NTTドコモの相互接続性試験(IOT)を完了したLTE通信モジュールを内蔵する Chrome book 初の製品で、NTTドコモのネットワークを活用することで高速かつセキュアな通信が可能になる。
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CPU:Celeron N3350、メモリー:4GB、11.6型ディスプレイ(1366×768ドット)、
質量:約1.26kg、バッテリー駆動:約12時間
 
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日本エイサー
武富 温
プロダクトマーケティング
マネージメント部
プロダクトマーケティング
シニアマネージャー

 「NTTドコモのネットワークは日本全域を広範にカバーしているため学校で採用しやすいと考えている。また、無線LANと異なり、校内ネットワークの構築が不要。この製品を必要な台数分導入することで、投資を最適化できる。さらに、無線LANのように校内に限定されず、校外学習や家庭学習など、さまざまな学習スタイルに対応できる」と日本エイサーの武富温・プロダクトマーケティングシニアマネージャーはメリットを語る。

運用管理の手間とコストを大幅削減

 LTEが無線LAN環境に比べて運用管理をユーザーがしなくても良いことは大きなメリットだが、 Chrome OS を搭載する Chromebook 自体の魅力も大きい。電源投入から数秒程度で起動するため、授業を妨げずスムーズに利用が開始できる。起動のたびに最新OSとセキュアな環境が維持され、データはすべてクラウドストレージの Googleドライブ にセキュアな状態で保持されるため、サーバーなどのオンプレミスのシステムは不要だ。運用管理面でも、Chrome 管理コンソールから端末の設定を一元管理でき、機能やURLの制限などをリモートで設定できる。OSのライセンスコストがかからず、アップデートやセキュリティ対策も不要で、運用管理に関わる手間とコストを大きく削減できる。    

 「Windowsは、PC教室などで利用するたびに各端末の設定をリセットする必要があるが、 Chromebook なら管理コンソールから数分で全端末を一括リセットできる。また、OSの安定も魅力で、WindowsPCに比べてサポートが9割削減したというユーザーの声もある」と武富シニアマネージャーは説明する。

 日本ではまだ馴じみの薄い Chromebook だが、米国の教育市場では6割ものシェアを占める。新製品には、米国の教育市場でエイサーが培ったノウハウが盛り込まれている。

 米国国防総省の定める耐久試験「MIL-STD 810G」(通称MIL規格)に準拠し、122cmからの落下にも耐える。330mlの水をこぼしても故障しない排水機構を備えた防滴キーボードを採用。キーときょう体の隙間を最小限にして、キーキャップが外れるのを防ぐ工夫も取り入れた。ファンレス駆動も特徴で、図書館などの静かな場所でも気兼ねなく利用できる。

 また、 Google は教育機関向けにクラウド型統合アプリケーション「G Suite for Education」を無償提供している。メール、カレンダー、ドライブ、ドキュメントなどが揃い、共同作業も効率的に実行できる。先生向けの支援ツール「Google Classroom」も用意され、授業ごとに連絡網をつくり、先生と生徒、生徒同士の連絡やコミュニケーションのほか、課題を作成・配布して、その場で回答の集計もできる。

 「新製品を通じて多忙な先生方の業務を効率化し、働き方改革をサポートしていく。21年までに200万台以上の教育用コンピュータの需要が見込まれるが、そのうちの多くを占めることが目標だ。また、企業向けにもVDI用途などを中心に拡販を進めたい」と武富シニアマネージャーは意気込みを語る。