総務省の飯村由香理・情報流通行政局情報流通振興課情報流通高度化推進室室長は、「2020年目前!テレワークの最新状況について」と題して、政府が推進するテレワークの取り組みについて解説した。

情報流通行政局 情報流通振興課
情報流通高度化推進室 室長
飯村 由香理氏

 飯村室長はまず、テレワークが求められる社会背景として、日本の労働生産性の低さや企業の人手不足の深刻化を取り上げ、「一人ひとりの労働時間当たりの生産性向上が喫緊の課題となっている」と指摘。そうした中で、政府が旗振り役となって働き方改革が推進されているが、その取り組みの中でもテレワークは「ICTを利用して時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」として、業務の効率化や付加価値の向上に有効だと強調。実際に、「テレワークを積極的に行っている企業の6割以上で労働時間が減少しているデータがある」という。

 ただ現状、テレワークは十分に普及しているとは言い難い。総務省が19年5月31日に公表した「平成30年通信利用動向調査」によると、従業員数100人以上の企業でテレワークを導入している・導入予定がある企業は26.3%にとどまっている。飯村室長は、特に「中小企業での遅れがある」と指摘。その主な理由は「テレワークに適した仕事がないから」だという。

 ほかにも、「社内コミュニケーションに不安」「情報セキュリティが心配」などがあるが、テレワーク導入企業の事例を踏まえると、そうした課題には解決可能なものも多く、「(経営者の)意識改革が重要」だとしている。

 政府はテレワークの普及促進に向けて、関係府省が連携して施策を展開している。例として飯村室長は、企業に専門家を派遣する「テレワークマネージャー派遣事業」や、テレワークの導入・活用を進めている企業・団体を選定・公表する「テレワーク先駆者百選」、業種と企業規模に応じたテレワーク導入の課題や対策を紹介する「働き方改革のためのテレワーク導入モデル」などを紹介した。

 また、17年から毎年開催している「テレワーク・デイ」は、18年以降「テレワーク・デイズ」と改称。19年は7月22日から9月6日にかけて開催し、前年から団体・人数ともに約2倍となる2887団体約68万人が参加した。期間中は、東京23区への通勤者が1日当たり約26.8万人減少。また、事務用紙などが約38%減少、残業時間が約43%減少したりと、交通混雑の緩和や業務効率化・コスト削減などに効果が表れたという。飯村室長は、今後もこうした取り組みを通じてテレワークの全国的な普及拡大を目指していくと語った。