テレワークICT協議会会長の三島浩一氏は、「テレワークの課題解決に必要なのは『仕事の見える化』、管理職の負担を軽減する為に必要なルールとツール」と題して講演した。

会長 三島浩一氏

 まず三島氏は、テレワーク実現にはツールに加えてルールも必要とした上で、テレワークにおける三つの課題(コミュニケーション、労務管理、セキュリティ)は、ICTツールで解決することができるとした。アンケートによると、テレワークをしない一番の理由は「テレワークできる仕事がない」という回答が最も多い。テレワークは、できる業種/できない業種、できる人/できない人がいるが、両者の関係は決して100対0ではなく、中間点があるはずという。そして、テレワークの課題解決に必要なのは「仕事の見える化」と強調し、長時間労働の是正にもなるとした。

 見える化に向けた具体的な手法が「朝メール・夜メール」。これは、朝メールでその日の予定を15分単位で全員に送信(タスクの共有)し、夜メールで結果を15分単位で全員に送信(日報の共有)するもの。仕事の優先順位や所要時間を意識させ、人に任せるべき仕事やメンバー共通の業務、他メンバーが困っているポイントが理解できるようになることで、残業の削減に効果が出るとした。

 テレワークの導入目的に関するアンケートでは、生産性向上がトップであった。時間当たりの労働生産性を比較すると、フランスの約60ドルに対して日本は約40ドルと低い。理由の一つがタスク管理(TO DOリスト)利用率の低さで、結果、各業務に必要な時間が分からずに業務を進めている。それを避けるには業務を細かく分解するべきという。

 予定(タスク管理)を立てて、業務の粒度をそろえることをルール化。結果(日報)報告により、期限を守ることを徹底する。「日報を元にチーム全員で業務を洗い出し、今すぐにテレワークできる仕事、やり方次第でできる仕事、絶対にできない仕事に分類して書き出すと、見える化ができる」とした。

 また、ルール面からのテレワークの課題解決も示した。コミュニケーションでは、適したツールを適度に使う、常に即時返信を求めない、集中タイムをつくる、オフィスでも同じように運用することを挙げる。労務管理では、働いていることをアピールしない、過重労働に注意する、必要なのは監視ではなく管理であること、プロセスと成果で評価することを挙げる。セキュリティでは、正しく理解して正しく恐れること、加害者にならない対策、業務効率も考慮し、対策と効果のバランスをとることを挙げた。