「テレワーク」をテーマとした3日目の基調講演には、総務省テレワークマネージャーの家田佳代子氏(ジョインCEO)が登壇。「コロナ環境下におけるテレワーク推進について」と題して、ウィズコロナ時代にテレワークを導入する意図や定着させていくための方策などについて語った。

総務省
テレワークマネージャー
家田佳代子氏

 家田氏はまず、テレワークが必要とされてきた背景として、働き方改革との関連性に言及。前政権が掲げた全員参加型社会の実現に向けて、育児や介護を行いつつ継続して働けるためのツールとして注目されたと経緯を語る。特に、介護問題が深刻で、2020年、団塊ジュニア世代の約8割が介護世代だったという。家田氏は、「優秀な人材を介護離職させず、継続雇用するためにテレワークを有効に使うべき」と訴えている。

 ただ、このコロナ禍でテレワーク導入の目的にも変化が生じている。2020年になって事業継続という動機が増え、働き方も変わりつつある。それを踏まえて家田氏は、テレワークを有効活用するとこれから働き方がどう変わっていくかを段階的に解説。テレワークの1段階目は、“個人”の仕事の環境を整備することで、ここで目指すのが業務の生産性や効率化だという。効果については、オフィスコストの削減やBCP対策、継続雇用など。次に、テレワークをブラッシュアップすると“チーム”で仕事を進められるようになるとした。協調作業によって生産性が上がって管理職を含めた合意形成が速くなり、ワークライフバランスにも効果が見えてくるとのことだ。

 ここから先に進むと、“組織”で仕事ができるようになり、この段階で「働き方改革が達成される」。すると、システム投資も従来のテレワークインフラへの投資から、デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けたものになるという。そして、最終的に組織力の強化、競争優位性の獲得、イノベーションの創出ができるようになり、“DX”化に到達するというのが家田氏が考える道筋である。

 テレワーク導入プロセスについては、(1)全体像をつかむ、(2)全体方針を決定、(3)ルールを作る、(4)ICT環境を作る、(5)セキュリティ対策、(6)テレワークの実施――の順で行うことが重要という。全体方針を決める際には経営者の参加が必須で、他にも全関係者を集めたコンソーシアム方式で進めないと、「途中でちゃぶ台返しが起きかねない」と注意を促した。

 さらに、テレワークを成功に導く要素として「制度改革、業務改革、IT導入、意識改革を順番に行うこと」を挙げる。その際には、「どのように仕事をするか現場と合意することこそが、テレワーク成功への近道」としている。