特別講演では、総務省情報流通行政局情報流通振興課の松井正幸課長が登壇。「テレワークの最新動向と総務省の政策展開~ポストコロナの働き方『日本型テレワーク』の実現に向けて~」をテーマに講演を行った。

総務省
情報流通行政局 情報流通振興課
課長
松井正幸氏

 最初に、松井氏は同省の「通信利用動向調査」の結果を引用して「これまで10%前後だった企業のテレワーク導入率が、2020年に政府目標よりも高い47.5%をマークした」と解説。ただ、民間企業による調査では労働者の78.6%がテレワークの継続を望んでいるのに対し、コロナ後もテレワークを継続する予定の企業が25.5%にとどまるとの結果が出ていると述べた。別の民間調査では、テレワーク時の生産性が平常時の平均84.1%に落ちてしまうとの結果も出ているという。

 このような状況にあるテレワークの普及を目指して、総務省はいくつかの政策を進めている。その一つとして紹介したのが、21年4月30日にスタートした「ポストコロナ時代におけるテレワークの在り方検討タスクフォース」だ。タスクフォースは、7月12日までに5回の会合を開いた上で8月11日に提言書を公表。日本の社会問題も解決できる働き方を、「日本型テレワーク」と名付けた。提言書には、「コミュニケーションや作業状況を把握するためのICTツールの導入促進」「企業行動を変容させるための仕組みの検討」「政府によるワンストップの支援窓口と情報発信サイトの設置」「総務省内でのテレワーク実施と在宅勤務非課税化に向けた調査」の4施策が掲げられている。

 本格的なテレワーク普及政策については、「テレワーク普及展開推進事業」がある。21年度に実施されている事業は、「テレワーク・サポートネットワーク事業」「テレワークマネージャー相談事業」「テレワーク・デイズ」「テレワーク先駆者百選」の四つ。テレワーク・サポートネットワーク事業は中小企業や地域へのテレワークの普及・拡大を狙う事業で、その一環としてテレワーク導入検討中の企業に専門的なテレワークマネージャーが無料でアドバイスを提供する仕組みだ。また、21年の「テレワーク・デイズ」では全国1531の企業・団体、約93万人が一斉にテレワークを実施したという。

 なお、「ポストコロナ時代におけるテレワークの在り方検討タスクフォース」は今後1年程度活動を続ける。「テレワーク普及展開推進事業」も継続実施される予定だ。