ヤフー(井上雅博社長)は2002年の目標として、インターネットにおける広告、ブロードバンドサービス、オークション、ショッピング、企業ポータル支援サービスの5分野でトップ企業になることを目指す。現在最も高い収益をあげている事業は広告で、他社と比較しても売り上げナンバーワンとなっているが、昨年はインターネット広告市場が低迷し、ヤフーの業績にも影響を与えた。これに対し井上社長は、「インターネット広告は現在が踊り場。今後はさらに拡大していくと考えているが、広告以外の事業でも収益の柱となるものを積極的に作っていく」方針。とくに競合企業のいるショッピング、ブロードバンドサービス、企業ポータル支援サービスについては、「この1年かけてナンバーワンとなることを目指す」と強気なところを見せている。 

 井上社長は、02年のインターネット業界の見通しとして、「調査会社のデータによれば、昨年の日本のインターネットユーザー数は9月時点で2800万人と、3000万人に近い規模まで来ている。この数は決して上限ではなく、さらに拡大していく」と、インターネット利用者の拡大は当面続いていくと予測する。

 昨年、不振となった広告事業についても、「現在の市場規模は700-1000億円といわれているが、ネット利用者が3000万人とすればこの数値は小さすぎる。年間に利用者1人で2万円程度の広告需要はあるはず。総額6000億円規模であっても決して不思議ではない。現在の不振は、広告の質、方法などに問題があるからではないか。もっと努力をすれば、1兆円という規模は決して絵空事ではない」と、持論であるインターネット広告市場規模1兆円に自信を見せる。

 自社サイトの閲覧者に関しても、「もっと増やしていかなければならない。インターネット利用者が増えていくのに、ヤフーの利用者は現状で十分とは考えられない」と、さらに拡大を続けていく考えだ。

 今年、収益拡大の柱に掲げる5つの事業は、中間決算で見ると広告が全体の56.6%を占める67億1600万円、ブロードバンドサービスヤフーBB事業が37億7500万円で全体の31.8%、オークション事業が5億2100万円で4.4%。残るショッピング、企業ポータル支援サービスの両事業はその他の分類に含まれ、収益に貢献するまでに成長していない。

 収益拡大を実現するために、ショッピングは「大手店舗を集めてモール運営を行っていたが、書籍についてはイー・ショッピング・ブックスを子会社化し、当社自身が小売りを行うケースもあり得る」と方針を変更した。今後、こうした自社での小売りも増加させていく。

 企業ポータル支援は、「日米で状況が異なるので、日本独自の部分を作り込んでいく必要がある。営業も当社には人材がいないので、他社との提携によるマーケット開拓も考えており、発表時点の6社から多少増やしていくことも検討している」という。