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エスビーシー 分散小型発電遠隔監視システムを開発 ITと環境技術の融合目指す

2002/01/21 16:06

週刊BCN 2002年01月21日vol.925掲載

 「情報通信技術と環境技術の融合を目指して」を企業理念に掲げ、昨年9月1日に発足したエスビーシー(横浜市港北区、森光実紀雄社長)は、第1号製品としてマイクロコジェネレーション遠隔監視システム「PackeTra(パケトラ)シリーズ」を開発、「3月には出荷できるめどがついた」(篠原武滋取締役=写真)ことを明らかにした。「基本技術である無線遠隔監視システムの応用範囲は極めて広いが、第一弾として、こうした製品が待ち望まれていたエネルギー業界向けのシステムとして商品化した」(同)としている。

 同社は、森光社長が出資し設立したベンチャー企業。「社会に貢献したい」という夢の実現を目指して、情報通信技術と環境技術の融合を目指してチャレンジしている。第1号製品としてマイクロコジェネレーション遠隔監視システムに焦点を合わせたのは、「エネルギー業界は従来の集中発電に加えて、分散小型発電(マイクロコジェネレーション)などが脚光を浴び、今後の発展が期待されているが、その際必須になるのが無線遠隔監視システム」(同)との見通しからだ。

 マイクロコジェネレーション遠隔監視システムは、監視ユニットを発電現場などに設置。あらかじめ設定しておいた規定値を超えた異常数値を検知した場合、その異常内容をNTTドコモのバケット通信サービスであるDoPa網を使ってメール送信する仕組み。「異常や故障などの情報を自動でメール送信する。ことは分散発電だから、発電現場で異常発生を即座につかんで手を打つことが絶対に必要。分散発電などではそのための人員を割くことは無理。当社のシステムを採用してもらえば、安心して24時間無人運転ができる」と篠原取締役は強調する。

 また、「オプションとして監視サーバーを設置することによって、トラブル情報の保存、検索、帳票出力などを行うこともできる。さらには、燃料電池、ソーラー発電、風力発電などの新エネルギーにも今後対応していく予定」としている。通信には、つなぎ放しでも課金されないパケット通信サービスを採用し、通信費を低減した。監視ユニットのセンサー機能は、同社が独自にハード、ソフトともに開発している。「センサー機能によってさまざまな応用分野が考えられるが、まずエネルギー業界向けで立ち上げ、その後応用分野を広げていく」(同)というのが当面の方針だ。
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外部リンク

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