ニュース

マツヤ商会など7社 段ボールケースのオンラインショップ

2002/02/04 16:09

週刊BCN 2002年02月04日vol.927掲載

 マツヤ商会など大阪の段ボールケース製造会社7社が共同で、段ボールケースのオンラインショップ「Dキューブ」を立ち上げた。

 これまで段ボールケースは、収容する製品によって長さ、幅、奥行きが決まってくるため、100%オーダー発注で取引がされてきた。小口のニーズがないわけではないが、それには対応できにくい業界構造になっていた。

 マツヤ商会ではこうした現状を打開するため、かつて製作、在庫のある段ボールケースについて小口でも販売することを、本社のある生野市に限定して新聞にチラシ広告を入れて告知したところ、1日に20件を超える注文を受けるようになったという。問題は同社1社では多様なサイズをそろえることが難しい点。そこで仲間に声をかけたところ、400を越える規格品が揃うことがわかった。

 こうした議論のなかから、「インターネットでオンラインショップを開設し、小口ユーザーのニーズに応えていこう」ということになった。

 当面7社が賛同、「458種類の規格品が販売できるようになった。これだけあれば、ほとんどのニーズに応えることができる」という。

 全国販売を指向しているが、悩みは配送料。「段ボールケースはもともと安いので、配送料の比率はかなり高くなる。しかし、移転とか引っ越しとか小口の段ボールが必要になることは多いはず。各種サイズの段ボールケースが揃っており、しかも低価格で入手できることが知られてくれば、相当のニーズはある」と見ている。

 マツヤ商会の原田修二社長は、「規格化された大量生産製品が幅を利かせているが、段ボールケースのように、さまざまなサイズをそろえざるを得ない産業もたくさんある。そうした大量生産から取り残された産業や商品のポータルサイトになれればと思う」と夢を語る。

 システム開発を担当したのは、ネバーランド。同社の中塚光雄社長は、「段ボールケース産業は構造不況業種とされているようだが、そのなかで生き残りをかけて模索しているマツヤ商会などの姿に共感した」と語る。

 そのうえで、中塚社長は「対象商品の数がかなり多く、在庫している場所も違うなどの特性を組んでシステムをつくり上げており、システムそのものは相当汎用性がある。特殊製品のポータルサイトにしたいという原田社長の夢の実現に向けて全面的に協力していきたい」と前向きな姿勢を示す。
  • 1