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イーディーコントライブ 不正コピー防止技術「プロリング」
2002/02/25 16:09
280社、720万枚の受注目指す
イーディーコントライブ(川合アユム社長)は、CD-ROMの不正コピーを防止する技術として「Ring PROTECH(リングプロテック)」を開発、昨年秋から販売してきたが、今回ソフトウェアの大幅バージョンアップを図るとともに名称を「プロリング(Pro Ring)」に改称した。昨年12月末で、導入企業は40社強に達し、100タイトル、100万本以上の受注を得ている。今年は280社から720万枚の受注を目指す。プロリングは、CD-ROMのマスターを焼きつけるとき、レーザー光をカットして無信号の部分を作る。この部分を「Ring(リング)」(無信号部分)と呼ぶ。リングは盤面にくっきり浮かび上がり、視覚的に確認できる。
通常のライティングソフトではこのリングを解読できずエラーが出る。また、読み飛ばすライティングソフトもあるが、読み飛ばすまでに約1時間かかるという。
リング部分をクリアされたときのために、PCR(プロテクトチェックルーチン)機能ももたせ、二重でプロテクト対策を講じていたが、今回のバージョンアップではPCR部を大幅に強化した。
従来のリング部分の情報チェックに加え、仮想CDドライブ対策、メディア判別機能などにより、CD-R/RWへのコピー不可、仮想ディスク不可、インストールは複数パソコンに可能でも同時使用は1台だけのキーデバイス化などの機能を付加した。
「違法コピーは、CD-R/RWの普及で日本でも激増している。ビジネス・ソフトウェア・アライアンス(BSA)は00年の不正コピーによる被害額は2000億円という数字を出している。01年にはさらに増加しているはず。こうした不正コピーを防ぐ最強のプロテクト手段がプロリングだ。リングは視覚的に確認でき、動作は安定、組み込み作業も簡単。採用した企業からは高く評価されており、動作面で何のクレームもないことが信頼性の高さを実証している」(小椋量友紀取締役)としている。
昨年秋から納入を開始しており、これまでに日本IBM、SAPジャパン、サンリオ、ローランド、ゼンリン、NECインターチャネル、デジキューブ、システムソフトなど40社強が採用、約100タイトル、約100万枚が出荷された。
昨年秋には韓国のホームズコミュニケーションと資本提携を結び、世韓メディアにノウハウの使用許諾を与え、韓国でのサービスもスタートさせた。
今年は、日韓両国で販売にさらに拍車をかけ、280社(うち韓国50社)のユーザーを獲得、720万枚(うち韓国240万枚)の出荷を目指す。
昨年の営業活動を通じて感じたのは、日本の販売店は不正コピーに対する認識が総じて低い点だという。
「フロッピーディスクからCD-ROMへと移行する過程で不正コピーは減った。しかし、CD-R/RWの普及で明らかに局面は変わった。この点の啓蒙活動に取り組みながら販売にさらに力を入れていく」意向だ。
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