学術研究を目的とする日本のインターネット研究プロジェクト組織、WIDEプロジェクト(村井純代表=慶応義塾大学環境情報学部SFC研究所長)のSOI(スクール・オブ・インターネット)ワーキンググループは、インターネットを活用し、「いつでも、どこでも、誰でも」大学レベルの教育を受けることができるマルチキャスト実証実験をこのほど実施した。

 実証実験は、IPv6やマルチキャスト技術などを利用し、米メリーランド州のカレッジパークにある富士通米国研究所内のSOI東海岸スタジオと、慶応大学をはじめ東京大学や奈良先端科学技術大学院大学、倉敷芸術科学大学の4大学を結んで実施した。全会場の音声や画像が相互に確認できるため、討論形式で参加できることが特徴。実験では、音声と画像が若干途切れることはあったものの、授業や講義を行ううえで支障がないことを確認した。

 SOIワーキンググループは、1997年の発足以来、インターネット上に「WIDE大学(SOI)」を立ち上げ、新しい教育のあり方を模索し、実証実験を行いながら研究を続けてきた。SOIの登録者は02年3月時点で学生数にして9000人以上。アーカイブ授業(録画・蓄積した授業)で自らの学習に役立てている。

 01年からは、次世代の遠隔スタジオ設置と体制構築を進めるために、デジタルビデオ品質の映像による授業がいつでも行える「SOIスタジオプロジェクト」を発足。米メリーランド州とカリフォルニア州にスタジオ拠点を設置し、01年10月から実験授業を実施してきた。

 アジア地域では「SOI-Asiaプロジェクト」により、衛星を利用したインターネットで高速ケーブルが敷設しにくい地域に比較的広帯域ネット基盤を構築し、アーカイブ授業の配信やリアルタイムの授業を行うという試みもある。

 今回の実証実験では、ゲストスピーカーを招く授業を複数の大学で共有することと、IPv6やマルチキャスト技術などの安定運用における課題抽出を狙いとしている。

 SOIワーキンググループのアドレスはhttp://www.soi.wide.ad.jp/。