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NECフィールディング 企業に保守・サービスを提供

2002/07/29 16:24

週刊BCN 2002年07月29日vol.951掲載

「ITのお医者さん」へ

 「高校生の時には、医者になりたかった。今、コンピュータの医者になるということで、その夢が実現したような気分」――。NECフィールディングの取締役常務に就任した富田克一氏は、「当社は保守会社とのイメージがあるが、それ以上にサービスの会社であることを認知させていく」方針だ。

 NECフィールディングは、NECグループの保守・サポートを担当する企業。富田常務自身も、「実際に着任し、NEC時代の見方と実体のギャップを感じた」という。「保守による売り上げは半分になり、アクティブなサポート事業の売り上げ比率が上昇している。カスタマーサティスファクション(CS)ナンバーワンとなるための体制づくりを継続的に行っており、エンジニアの累計顧客訪問回数は年間300万回と顧客に近いところで地道な活動を行っている。こうした実体はNECグループのなかでもきちんと認知されていないのではないか」

 富田常務自身が企画部担当となり、広報活動を含めて企業としてのアピールをどのように行っていくのかを検討している。「株式の上場も検討している。さらにサービスによる収益を増やすためにも、企業認知度を向上させていく」と話す。同社の事業のなかで、「非常にわかりやすく、理解してもらいやすい」事業は、サービスソリューションである「ITヘルスケア」。人間ドックのIT版というコンセプトで、トータルなITのケアを提供する。

 これまで個別に行っていたシステム監視、セキュリティ、オンサイト保守、部品交換といったサービスをトータルで提供できるようパッケージ化した。サービスエンジニアがホームドクターの役目を担い、トラブルがないよう予防措置を行うとともに、その後の問題が起こった際には迅速に対応できる体制を作っていく。このサービスを富田常務は、「わかりにくいサービス事業が、理解しやすく体系化されている。こうしたわかりやすさが認知度をあげるカギになる」と分析する。

 富田常務自身、「高校生の時には医者になるつもりだった。それが、担任の先生の助言で工学部を受験することになった。その後、NECに入社して、自分は人間のお医者さんではなく、コンピュータのお医者さんになったんだと感じたことがあった。今回、NECフィールディングに来て、その感覚を再び思い出した」という。企業のトータルな相談に乗ることができる保守・サービス体制は、ITの総合病院といえる。「きめ細かい、現場に密着したサービスができる体制を武器に、顧客が最も信頼できる企業であるとの認知を広げていきたい」と語る。
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外部リンク

http://www.fielding.co.jp/