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GMOグループ 米ジオトラストと提携し、セキュリティ市場に参入 電子認証サービスの新会社設立

2003/05/19 19:20

週刊BCN 2003年05月19日vol.990掲載

 インターネット関連サービスのグローバルメディアオンライン(GMO、熊谷正寿会長兼社長)の子会社で、ホスティングサービスを提供するGMOホスティングアンドテクノロジーズ(GMO H&T、青山満社長)は、セキュリティベンダーの米ジオトラスト(マサチューセッツ州、二ール・クレイトン社長兼CEO)と提携し、電子認証サービスを手がける100%出資の新会社をこのほど設立した。日本ベリサインが独占的なシェアをもつ電子認証サービス市場で、「シェアナンバーワンを目指す」(熊谷会長兼社長、青山社長)と、強気の姿勢をみせている。

 新会社の名称は「日本ジオトラスト」(東京都渋谷区)。資本金は5000万円。社長兼CEOには、GMO H&Tで取締役を務めていた中条一郎氏が就任した。役員4人、従業員1人で4月から事業を始めた。

 米ジオトラストが、米国を中心にワールドワイドで展開している電子認証サービスの国内独占販売代理店契約を締結。「日本市場での独立色を出すため」(中条社長兼CEO)に新会社を設立し、独自展開を図る。

 米ジオトラストは、電子認証サービスを1998年から開始しており、ワールドワイドで約6万件以上のユーザーがいる。「ベリサインに次ぐ、約18%のシェアを誇る」(クレイトン社長兼CEO)という。日本市場ではこれまで、GMO H&Tを含む数社による代理店販売と直販で、約5000件のユーザーがいる。

 電子認証は、データを暗号化し、プライバシーに関わる情報やクレジットカード番号、企業秘密情報などを、公開鍵暗号や秘密鍵暗号、デジタル証明書などのセキュリティ技術と組み合わせ、データの盗聴や改ざん、なりすましを防ぐ。

 新会社では、従来なら10数万円の費用を要した電子認証サービスを、5万9800円からという低価格で提供する。GMO H&Tのホスティング事業をはじめ、ウェブサイト構築事業を手がけるGMOグループ関連会社の事業と組み合わせた営業などで、販売を展開していく。さらに、今後は個人向けの電子認証サービスの提供も計画している。

 日本ジオトラストの田中裕之取締役は、「日本での電子認証サービスは大手企業が中心で、まだ身近なものになっていない。ビジネスチャンスは大いにある。GMOグループと連携し、その中心顧客である中小企業やSOHOにアプローチしていく」と語る。

 中条社長兼CEOは、「06年度には電子認証サービス市場は今年度の約3倍に伸びるというデータもあり、市場成長はこれからが本番。ベリサインの独占的な市場ではあるが、割って入るだけのサービス体系は整っている」と強気の姿勢をみせる。
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