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菱洋エレクトロ システム提案中心に“牧場型ビジネス” 情報機器部門の売上高500億円目指す

2003/09/22 19:32

週刊BCN 2003年09月22日vol.1007掲載

 菱洋エレクトロは、システム情報機器販売で2006年度(07年1月期)に今年度(04年1月期)を200億円上回る売上高500億円を目指す。ハードウェア単体の売り上げを継続して伸ばすとともに、情報システム構築や運用管理などシステムインテグレーション事業拡大に力を入れる。菱洋エレクトロのシステム情報機器事業は、システムインテグレーションの「ソリューションビジネス」、プリンタや液晶モニタなどハードウェアを扱う「ボリュームビジネス」、マイクロソフト製品やインテルのBOX-CPUの流通系・ショップ向け供給を行う「リテールビジネス」の3本柱で構成する。

 02年度(03年1月期)の売上比率はソリューション40%、ボリューム40%、リテール20%。今年度は付加価値の高いビジネスへのシフトを強めることで、ソリューションビジネス46%、ボリュームビジネス41%、リテールビジネス13%となる見込みとしている。ハードビジネスは価格競争が激しく利益率も低下していくため、今後は事業拡大のために提案ビジネスを中心として、顧客志向を強化したソリューションビジネスの拡大を図っていく方針。

 「これまでの営業を、売り込むことでユーザーを獲得する“狩猟型”とするなら、顧客が必要としているソリューションを提案し、サポートにより囲い込む“牧場型”ビジネスを展開する」(小川贒八郎・専務システム情報機器営業統括=写真)ことを中心に事業展開するという。特にソリューション提供については、99年にコンサルティングやソフト開発などのベンチャーや100人規模の専門企業17社で「Agile Club(アジルクラブ)」を構成しており、ビジネスの受注についてはそれぞれの得意分野を生かしてプロジェクトチームを結成し、事業拡大を図っている。

 同社はソリューション事業で、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のサーバーやストレージ、パソコンによる提案を中心としているが、顧客の要望に応じてはデルコンピュータなど競合ベンダーの製品を導入するケースもある。UNIXサーバーでは日本HPのほかにサン・マイクロシステムズ、PCサーバーではインテル、パソコンではセイコーエプソン、NEC、富士通などさまざまな形で顧客ニーズに応える体制を構築している。これにより大手企業向けでも他社との競合に勝って受注した実績があるという。菱洋エレクトロは三菱電機系の半導体商社で、現在でも半導体部門が売上高の4分の3を占めている。経営の基盤として半導体依存からの脱却を図るため、システム情報機器部門の事業拡大を狙う。
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