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シトリックス・システムズ・ジャパン メタフレーム新版で営業戦略本格化 今年6月以降、全てを日本語化

2004/01/19 20:19

週刊BCN 2004年01月19日vol.1023掲載

 シトリックス・システムズ・ジャパン(田中正利社長)は、分散化するソフトウェアをサーバーで集約化するミドルウェア「メタフレーム」の製品群(スイート)すべてについて、今年6月以降は日本語版で出荷する。同製品群の主力4製品のうち2製品については昨年6月に日本語版を発売しており、今後、ウェブブラウザ経由のアクセスをセキュア(安全)に保つ製品と、パスワード保護された各種アプリケーションへのアクセスを提供する製品を日本語対応する。ともに、日本語版のベータ版の開発を終了している。同社は、昨年6月に先行発売した2製品と合わせて「戦略製品が揃った」(田中社長)として、2月後半からに1次代理店と2次代理店に対し、新製品の技術セミナーを開催するなど、国内での営業戦略を本格化させる計画だ。

 シトリックス・システムズ・ジャパンは昨年6月、親会社の米シトリックス・システムズの戦略転換により、従来の「メタフレーム」を中心にした「サーバー・ベース・コンピューティング」戦略を見直し、各種デバイスから接続を可能にする「アクセス・インフラストラクチャー」へ移行した。

 そのため、主力市場の欧米では、「メタフレーム」単品という考えを改め、セキュリティやアプリケーション管理などを1つの製品群にした「メタフレーム・アクセス・スイート」として4製品をリリースしている。

 まだ日本語化されていない2製品は、ITサービスや各種アプリケーションからウェブを経由したセキュアなリモートアクセスを可能にする「セキュアアクセスマネージャー」と、ユーザーのパソコン端末などを1度の認証で許可する「シングルサインオン」ができる「パスワードマネージャー」。今年6月以降に日本語版を順次出荷する計画だ。

 「セキュアアクセスマネージャー」については、「リモートからのセキュアなアクセス管理にモジュール(部品)を絞ったシンプルな製品を出す」(竹内裕治・マーケティング本部プロダクトマーケティング統括マネージャー)とのコンセプトに基づき、日本市場向けに機能をカスタマイズした製品をリリースする。

 同社は昨年6月、「ウィンドウズサーバー2003」のターミナル機能を拡張して、アプリケーションを各種クライアントから使用できる「プレゼンテーションサーバー」と、同じアプリケーションで共同会議ができる「カンファレンシングマネージャー」の日本語版を出荷した。

 今年のリリース分を含め「アクセス・インフラ関係の製品群が日本市場でも揃う」(田中社長)ことになる。このためISV(独立系ソフトベンダー)や富士通、NECなどハード会社7社で構成される1次代理店の「シトリックス・ビジネス・アライアンス(CBA)」と、同社製品の正規取扱店(リセラー)となる2次代理店の「シトリックス・ソリューション・ネットワーク(CSN)」260社を対象に、技術教育支援と付加価値販売方法を提案するセミナーを2月後半から全国で開始する。

 竹内マネージャーは、「米国では、ヘルスケア分野でセキュアアクセスマネージャーの引き合いが多い。国内では、シングルサインオンのニーズが高く、パスワードマネージャーに対する問い合わせが増えている」と、日本語版の追加による事業拡大に期待している。
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