安価な労働力が魅力の単なる生産拠点から、巨大な消費市場へと姿を変えている中国。日本企業を含めた海外企業による積極的なマーケティング展開も目立ってきている。サーチナは、その消費リーダーであるハイクラス層に対して、IT分野における中国国内外メーカーの信頼度を調査した。

「IT」という枠組みで幅広く代表的な中国国内外の企業を列挙し、中国ハイクラス消費者にその信頼度を聞いたところ(複数回答)、中国IT最大手の聯想(レノボ)が最も高い57.5%の支持を獲得した。中国では「パソコン=聯想」の方程式を形成している同社が、その圧倒的なブランド力を見せつけた。

 しかし、その他の上位は海外大手メーカーに占有されている。2位以下では、マイクロソフト(44.2%)、IBM(43.9%)、インテル(41.3%)、ソニー(39.3%)となった。

 マイクロソフトの2位は、中国のOS市場で脱マイクロソフトに向けたLinux導入を推進しながらも、ウィンドウズの独占市場が続く現状を色濃く反映した。また、中国の独自規格となる無線LAN規格「WAPI」と「Wi─Fi」をめぐり問題がこじれたインテルが4位にランクしていることも興味深い。

 一方で日本企業は、ソニーが上位に食い込んだ以外は、軒並み低迷した。日本企業の中で2位となった松下電器産業は25.1%で、全体としては11位。以下、東芝(12位)、キヤノン(13位)、NEC(15位)、日立製作所(16位)と続いた。ソニーは、「バイオ」や「サイバーショット」など、中国市場でもそのブランド力と人気は健在だ。

 しかし、中国市場では、日本企業に対する技術面での評価は高いものの、個々のブランドイメージはそれほど浸透していない。また、日本企業はITというよりも家電としてのイメージが根強く残っていることも、今回の結果に反映されていると考えられる。その中で、電子、精密機器メーカーであるキヤノンの健闘は光る。

 同社は今年4月に世界最大規模の蘇州工場を稼動させるなど、一貫して中国事業に注力してきた。また、デジタルカメラ、プリンタなどの製品が中国で急成長していることも一因として挙げられる。中国メーカーでは、海爾(ハイアール)が32.1%で9位。その他、方正(ファウンダー)(10位)、TCL(14位)と伸び悩む。

 中国のハイクラス消費者の間で、高級志向がますます高まりをみせるなか、海外メーカー製品のブランドバリュー、高品質というイメージが支持される傾向にあるようだ。調査は、サーチナの関連会社である上海新秦信息諮詢有限公司(上海サーチナ)が、中国全土に配した自社モニター男女5000人に対して行ったオンラインアンケート方式によるもの。調査期間は2004年3月5日から15日まで。なお、調査の詳細に関しては、「中国生活者の生活実態-サーチナ中国白書2004-2005-」(サーチナ総合研究所編著)に収録している。(サーチナ・吉田雅史)