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日本アバイア IP製品の新機種発売、中小企業への拡販本格化 年間3万台の導入目指す

2004/06/07 20:49

週刊BCN 2004年06月07日vol.1042掲載

 企業向けIP電話事業を手がける米アバイアの日本法人である日本アバイア(鵜野正康社長)は6月7日、中小企業向けIPコミュニケーション製品の新機種「アバイアIPoffice2.1」の国内販売を開始した。前のバージョンに比べ、価格を据え置いたほか、ボイスメールやコールセンターなどの機能を強化した。従業員50人以下の中小企業向けに、当面は2社の販売パートナーを通じた営業活動によって年間3万台の導入を目指す。

 昨年7月に発売した「IPoffice」は、PBX(構内電子交換機)やデータ・音声ネットワーキング、ファイアウォール、ボイスメールなどの機能を1つのきょう体に集約したのが特徴。今回の新機種では、マイクロソフトのメールソフト「アウトルック」に内線や外線のメッセージを送ったり、テキストメッセージをデスクトップパソコンとモバイル端末でも音声読み上げができる「ボイスメール」や、旧製品ではオプションだったコールセンター応答のデータを管理・分析する「レポーティング」を標準搭載した。

 さらに、中小企業向けのIPコミュニケーション製品でありながら、コールセンターのオペレータ(エージェント)利用数を従来の75人から150人まで拡張した。

「中小企業の成長に合わせて拡張でき、機能もアップグレードしたが、値段はほぼ据え置いている」(日下浩・SMBソリューションズ部長)ことを強調する。

 旧製品の「IPoffice1.4」は、最小構成で44万5800円。新機種では価格をオープンとし、販売パートナーの判断で値段設定ができるため、新規導入や移行を進めるための価格戦略として旧製品並みの価格で提供することになりそうで、結果的に「旧版とほとんど変わらない価格で提供できる」(日下部長)という。

 国内で中小企業市場を狙った製品は、沖電気工業など一部のIP機器メーカーから出ている。だが、音声とデータを融合させた製品は少なく、ボイスメールの機能だけでも、他社製だと数十万円と高額だ。

日本アバイアでは、新機種をアダムスネットとNTTネオメイトの2社から販売を開始。このほかにも1、2社のシステムインテグレータとの提携により販売パートナーを増やすことを検討している。

 日本アバイアによると、世界のIP電話市場でアバイア製品は昨年、シスコシステムズなど競合を抑えシェア第1位を獲得したという。

 旧製品は国内で1年間に約1万台販売したが、「日本はアメリカに次ぐ市場。世界の販売台数の10%は日本で売れる」(日下部長)と、大企業の支店や事業所を中心に、大幅な販売台数増を見込む新製品の投入により、今後1年間の目標を3万台に設定している。
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