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シーア・インサイト・セキュリティ 社員のPC利用履歴を把握 情報漏えい防止で低価格サービス開始

2004/06/14 20:49

週刊BCN 2004年06月14日vol.1043掲載

 ITベンチャーのシーア・インサイト・セキュリティ(向井徹CEO兼COO)は、社員のパソコンの利用状況を把握することで情報漏えい防止策を提案するなど、内部セキュリティに特化したセキュリティ診断サービスを始めた。

 同サービスではまず、システム管理者やセキュリティ対策担当者、経営者などに対し、どのようなセキュリティ対策を施しているのかをヒアリングする。その後、各部門から選んだ20人のパソコンに、自社開発のログ収集ソフト「シーアインナー」を2週間インストールして、社員の利用状況を把握する。

 シーアインナーは、起動時間やアプリケーションの稼動状況、共有ファイルへのアクセス、Eメールの送受信先、インターネットの利用履歴など、「各パソコンの利用状況がほぼ分かる」(向井CEO兼COO)機能を搭載。一部ではあるが、各部門のパソコンの利用状況を把握することで、簡易的にセキュリティ対策の弱い部分を洗い出す。

 各社員の利用状況を数値・グラフ化した現状報告レポートを提供するほか、そのレポートとヒアリングの結果から、早急に対処しなければならない部分などの改善提案も行う。その後、セキュリティシステムの再構築や、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)およびプライバシーマーク取得支援までユーザーのニーズに応じて、提携先であるNTT-MEコンサルティングやネットマークスなどを紹介する。

 審査からレポート提出までの期間が約45日間という短期間であることと、費用は30万円からとしたことで、「コンサルティング会社などが提供するサービスに比べて、気軽に利用できる」(向井CEO兼COO)というのが特徴。すでに約10件の受注実績のなか、大企業から社員数50人程度の小規模事業者まで、ユーザーの企業規模はさまざまで幅広いユーザーを取り込むことに成功しているという。

 セキュリティ診断サービスは現在、ネットワークやサーバーの脆弱性診断サービスなどの外部アタック対策分野がメイン。だが、企業の情報漏えいの約80%が内部関係者による漏えいとする見方もある。同社は、社員のパソコン利用状況を把握するという手法で内部セキュリティ対策に的を絞り、自社開発のログ情報管理ソフトを活用することで、競合のセキュリティサービス提供会社との差別化を図った。
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