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大塚商会 蓄積データで最適な提案 マーケティングと営業機能を強化

2004/07/12 21:03

週刊BCN 2004年07月12日vol.1047掲載

 大塚商会(大塚裕司社長)は、マーケティングと営業の両機能の強化を目的に、組織を再編した。昨年秋から開始した独自の顧客管理・営業支援システム「サポート・プロセス・リエンジニアリング(SPR)」や販促活動などを拡充していく。これまでは、マーケティング本部在籍者のうち、本来販促活動を行うべき担当者の一部が顧客先に出向き営業支援をしていた。今回の組織再編で、マーケティング本部はSPRなどを利用したプロモーションに特化した活動を展開する。

 マーケティング本部では従来、業種やCADなど分野別のセミナー開催やカタログ作成、広告・宣伝などの販促活動に加え、営業本部の地域支店などに在籍する営業担当者に同行して製品のプレゼンテーションを行うなどの営業支援を行っていた。同社によれば、「マーケティング本部の活動中、4-6割は営業支援だった」(片倉一幸・システム部門統括常務取締役)という。このため、本来のマーケティング機能を取り戻す目的で、組織再編を実施した。

 同時に、営業本部にある地域営業部のうち、マーケティング展開を行う担当者も多かったため、営業とマーケティングの両分野で“得意技”を持つ担当者を、それぞれマーケティング本部と営業本部に振り分けた。

 マーケティング本部は今後、セミナー開催や製品カタログ類の作成、市場分析など、プロモーション活動の拡充に専念する。SPRを活用した展開では、これまで同社に蓄積された販売履歴や顧客の現状にもとづき、最適な営業先を割り出す活動を強化する。このほか、従来の「業種販売促進部」を改称し、「インダストリープロモーション部」と「スマイルプロモーション部」を新設し、業種・業態別のシステム構築とERP(統合基幹業務システム)「スマイルα」の拡販を充実する。片倉常務取締役は、「当社の各ソリューションがどの顧客に適しているか、マーケティング本部が明確な指針を出せるようにする」と話す。

 また、中堅・中小企業を中心にIP(インターネットプロトコル)ベースのシステム構築需要が高まると判断し、「通信システム部門」を新設。この部門内には、マーケティング本部内にあった「通信システム販売促進部」を移管し、「通信システム特販グループ」を新たに設け、IPに特化した販促活動を行う。
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