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テンアートニ OSSの知財管理サービス開始 年内にオンデマンド方式で
2005/06/27 21:42
週刊BCN 2005年06月27日vol.1094掲載
OSSによるシステム開発を得意とするテンアートニは、世界に流通しているOSSを中心とした使用許諾情報をデータベース化し、ソフト開発会社などが開発したプログラムが使用許諾に反していないかを検証するサービスを始める。サービスにあたっては、OSSの知的財産管理サービスを手がける米ブラックダックソフトウェア(ダグラス・レビン社長)が開発したデータベースを活用する。一部、一般のソフトベンダーが開発したプログラムも検証対象に含める。
同サービスでは、開発したプログラムのソースコードと、現在流通しているOSSのソースコードとを照合することで、どこにどのようなOSSが使われているかを判別。複数のOSSが使われている場合は、OSS同士の使用許諾が矛盾していないかを検証する。OSSソースコードのカバー率は「現在流通している主要なOSSのほぼすべてをカバー」(ブラックダックソフトウェアのレビン社長)しており、新しく開発されるソースコードについては、データベースを随時アップデートすることで対応する。
今年7月中旬から5ユーザー年間約360万円から使用許諾条件の照合システムの単体販売を始めるのに続き、年内をめどにオンデマンド方式によるソースコードの照合サービスを始める。照合システムを購入しなくても、必要に応じて使用許諾に矛盾がないかをインターネットを経由して調べることができる。米国でブラックダックソフトウェアがすでに提供しているオンデマンドサービスは、照合1回あたり日本円で約33万円から提供しており、国内でも同水準に設定することを検討している。
テンアートニでは、ここ2-3年内に国内で100社程度のユーザー獲得を目指す。OSSの照合サービスを継続して使ってもらうことで「安定した収益源に育てる」(テンアートニの喜多社長)と、同サービスのストックビジネス化に努める。
基本ソフト(OS)やデータベース、アプリケーションサーバーなどさまざまな種類のOSSが配布されているが、その中には最終製品のソースコードの開示を求めたり、有料での販売を認めなかったりと、厳しい使用許諾条件を課しているケースもある。複数のOSSを組み合わせて開発する大規模なシステムになればなるほど、個々のOSSに定められた使用許諾条件の整合性を保つのが難しくなる問題が顕在化している。
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