NEC(金杉明信社長)は、情報漏えい対策ソフト「InfoCage(インフォケイジ)」で今年度(2006年3月期)売上高10億円の突破を目標に掲げる。市場参入が早かったわけではないNECだが、同製品のマーケティングを担当する石井俊行・ユビキタスソフトウェア事業部マーケティングマネージャー(セキュリティグループ)は、「追い風が吹いてきた」と自信をみせる。その自信の裏付けは、「他社とは違うNEC流の製品コンセプト」という。後発のデメリットを打破する巻き返し戦略を聞いた。

 ──「インフォケイジ」は情報漏えい対策ソフト市場参入が遅れた印象を受けるが。

 確かにその通りだが、巻き返せる自信はある。インフォケイジの中核ソフト「持ち出し制御」は、他社とは違うコンセプトを持つ。このコンセプトが受け入れられ始めているからだ。

 他社製品では、機密情報の編集を許可された担当者は、パソコンに持ち出すこと(コピー)が可能だ。だが、当社の「持ち出し制御」では機密文書は編集をセキュアなサーバーのなかですべて行うように設定しており、持ち出すことができない。以前は「不便だ」との声が多かったが、シンクライアントが関心を集めているなど、“持ち出せない”という考えが有効であることが浸透してきた。“完璧”に持ち出させないというNECの独自コンセプトが活きる環境になった。

 ──「持ち出し制御」では、顧客の情報管理体制まで踏み込んだコンサルも必要になる。

 コンサルティングサービスを提供できるパートナーを増やす計画だ。現在は3社程この領域でコンサルティングを提供できるパートナーがいるが、これを早急に5社に増やす。この5社を中心に導入を進め、いくつかのモデルケースや成功事例を作り、その後、幅広くパートナーに伝えていくことで、導入の困難さを解消させる。

 ──SMB(中堅・中小企業)開拓は。

 中小企業は、ショップでビジネスパソコンを買うケースが多い。1つの販路として家電量販店やパソコンショップなどの法人コーナーが有効的だ。ショップでは法人向けパソコンを販売しており、インフォケイジをバンドル提供する施策を始める。「持ち出し制御」をバンドルすることは無理だが、他のラインアップの暗号化やメディアへのコピー制御ソフトなどは使いやすいため、バンドルしやすい。すでに数社の家電量販店と交渉を進めている。

 ──情報漏えい対策製品市場をどうみているか。

 大手も中小企業も関係なく、ニーズは依然大きい。「個人情報保護法」完全施行直後の4-5月は冷え込んだが、6月以降は持ち直し、その後も強いニーズは続いている。後発であることは否めないが、まだまだチャンスは大きく、十分巻き返せる。