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ワイズマン 売上高100億円を目指す 電子カルテを柱に福祉・医療に特化したSI事業で

2005/11/14 12:44

週刊BCN 2005年11月14日vol.1113掲載

 システムインテグレータ(SI)のワイズマン(盛岡市、南舘伸和社長)は、電子カルテなどの医療関連システムの分野を伸ばすことで早期に連結売上高100億円の達成を目指す。介護保険など福祉関連システムの分野で業績を伸ばしてきたが「需要が一巡すると頭打ちになる」(同社)と判断。今後、市場が急拡大すると期待できる中堅中小の病院向けの電子カルテを柱とした医療機関向け基幹業務システムの受注を伸ばすことで、持続的な成長を図る。

 ベッド数を多く抱える大規模な医療機関は、ハードメーカーを中心とした大手SIとの競合が激しい。このためワイズマンでは福祉関連システムの高いシェアを足がかりに、まずは長期療養型の高齢者医療に注力する福祉型の中堅中小の病院をメインターゲットにする。この規模の病院は全国に約4300施設ほどあり、その多くが電子カルテなど次世代の基幹業務システムをまだ導入していない。ここへの営業を強化することで将来的に約10%のシェア獲得を目指す考えだ。

 今年度(2006年3月期)の連結売上高は前年度比19.2%増の65億円の見通しだが、これに電子カルテなど医療関連システムを上乗せすることで、早い段階で売上高100億円の大台に乗せたいとしている。

 現在の主力ビジネスとなっている介護保険など福祉関連システムの収益力強化にも努める。従来はシステムの売り切りが中心だったが、今後は同社のデータセンターでシステムを管理しネットワーク経由で業務アプリケーションを貸し出すASP(アプリケーションの期間貸し)方式に順次切り替えることで、一過性ではない安定的な収益源にする。ただ、福祉関連だけでは手直しなどの小規模な需要にとどまり、「需要は一巡する」(同)との判断から、新たに医療分野の伸長に力を入れる。

 ワイズマンは専門知識を持った自社の営業マンが直接営業し、納入後も専門のエンジニアが直接サポートする独自の営業スタイルで顧客満足度を高めて業績を伸ばしてきた。営業・サポートの拠点数は本社を含めて全国22拠点ある。この全国ネットワークを活用して電子カルテなど医療分野の開拓を進める。福祉関連を軸に急成長した同社は、2004年10月、東北6県に拠点を置くシステムインテグレータとして初めて株式上場を果たしている。
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