【成都発】11月1─3日、中国がホスト国となって、「第4回中日韓文化コンテンツ産業フォーラム」が、四川省成都市で開催された。このフォーラムは中国文化部、日本の経済産業省、韓国の文化観光部の主催で、2002年から各国がホスト国を持ち回る形で年1回開催されてきたもので、今年は「2巡目」のスタートとなった。

 初日の開幕式で日中韓の副大臣代表は「成都宣言」に調印し、豊富な文化資源に基づいて東北アジアならではの新たなコンテンツ産業エリアを創出すること、さらに効果的な交流体制を創出して協力関係を強化することで合意した。

 最近、日中韓の三国は文化コンテンツ分野で積極的に交流や協力を行っている。日本のコンテンツ産業は早くから海外での評価が高く、中国でも「鉄腕アトム」、「花の子ルンルン」、「ちびまる子ちゃん」から、最近では「クレヨンしんちゃん」、「千と千尋の神隠し」まで、数世代の子供たちに親しまれてきた。

 00年前後からは韓国コンテンツがブームとなり、ドラマやネットゲームに代表される「韓流」は、東アジアをはじめ全世界を席巻した。韓国人が出演するコマーシャル、韓国人歌手が歌う中国語の音楽CDもよく目にする。

 中国から海外に進出し、成功した例もある。海外で数多くの賞を受賞した張芸謀監督の新作「千里走単騎(単騎千里を走る)」は、東京映画祭で上映され好評を得た。中国古来の楽器である二胡、揚琴などの音色に西洋的なポピュラーミュージックを融合させ、全く新しい演奏スタイルで様々な音楽ジャンルのメロディーを奏でる「女子十二楽坊」は、日本で200万枚のCD販売実績を上げた。

 では、デジタル・コンテンツはどうだろうか。ブロードバンド普及率世界一を誇る韓国は90年代前後から、アメリカの得意分野であるビジネスソフトや、日本の得意分野である漫画、アニメーションでの競争を避け、オンラインゲームの開発に専念し、中国のローカル企業と連携して巨大な市場を開発することに成功した。その影響で中国のオンラインゲーム産業も発展し、代表的存在である盛大網絡は世界的な大手ゲーム運営会社に成長した。

 中国文化部のデータによると、00年時点ではオンラインゲームの市場規模は3千万元だったが、04年には36億元と、100倍規模となった。今後、日中韓は素材、芸術、技術、資金、市場などの各方面での積極的な協力が見込まれている。経済成長につれて中国における文化消費支出も年々増加しており、04年には、エンターテインメントにかかる消費は年間平均で1人当たり800元を超えた。

 現在、街中のあちこちで売られている海賊版を考えれば、それが排除された時には、さらに大きな金額になるだろう。一方で、市場の大きさに比較すると、中国のアニメ、ゲーム企業はまだまだ未熟。04年のマーケットシェアの8割は、海外からの輸入品が占めている状況だ。

 官民合同による今回のフォーラムは、日中韓の文化コンテンツ産業の交流・協力の縮図といえる。東北アジアは長い歴史を持ち、同じ儒教・仏教文化圏に属し、豊富な文化資源を共有できる立場にある。このような前提を踏まえ、日中韓は、互いに長所を取り入れ短所を補いさえすれば、世界的な注目を浴びる成果を生み出す可能性を秘めている。経済より先に、文化の「東アジア共同体」が実現するかもしれない。
魏鋒(ウェイ・フェン=ACCS上海事務所担当、shanghai@accsjp.or.jp)